これは面白い!
「ときめき」がパワーになる
女性に惚れやすく、ちょっと気持ち悪い大塚練児は当然モテない高校2年。恋愛命の練児は友人から「あの力を他の事に使えたらな」と言われながら、とうとう連続失恋記録100という大偉業を果たします。しかし錬児の勘違いですが、それでも初デートと思い込み待ち合わせ場所に向かいます。
デートに向かう途中で萩窪と名乗る老人と、なんと怪物に出会ってしまいます。萩窪に渡されたリングを装備するとヒーローへと変身。そして怪物を一蹴します。翌日練児は萩窪と再会し、言われ流されるままにヒーロー戦隊に加入させられます。しかしこのリング、変身には「ときめき値」が必要で、使うと「今好きな人の存在を忘れる」という副作用があるとか・・・嫌がりながらも断り切れない練児の戦いが始まります。
ギャグが多すぎたのが勿体ない
ギャグ漫画なのですが、ちょっと狙いすぎていて「寒い」というのが総評。主人公の灰汁が強く、展開についていけないシーンも多いので1巻離脱が多そうな漫画です。「忘れる」という設定も珍しいという程ではありません。ここまで書いていますが、評価は5段階で4.1をつけている不思議。
読み進めていくと、この「好きな人を忘れる」設定をとても上手く使っていて、練児本人よりも周囲の喪失感がとても印象に残ります。戦隊という事でヒーローは練児だけではなく、他メンバーも同様の能力と副作用を抱えています。そうやって精神的・身体的な成長を感じる頃、作品が変化します(遅いよ!!)。
「忘れる事を恐れない覚悟」がキまる
練児は相手の事を思いやる結果、自己中心的になっています。しかし少しずつ本当の意味で相手を思いやる事を学びます。しかしその代償は「学ばせてくれた相手を忘れる」こと。「本当にこの人が好きなんだ」と自分の感情に気づいた時、錬児は戸惑いながらも「守る為に忘れる覚悟」がきまります。ここでおっさんが泣きました。
錬児は、とある美少女から色々と選択を強いられます。実質一択で理不尽な展開は好きです。小さい事ですが、この積み重ねで2人の関係が育つのです。実は細かい伏線が多く、もっと長く連載して欲しかった・・・見る価値は充分ですので、1巻は我慢して読む、もしくは3巻からとか、それでもアレなら最終巻だけでも・・・お勧めです。
⇑ 「夜桜さんちの大作戦」も尻上がりに面白い!
コメント も、文句以外で・・・