17文字でよく会話になるなあ・・・
人と話すのが苦手な少女とヤンキー
高校1年生、文芸部に所属の雪代七々子。言葉にするのが苦手な彼女は、他者と意思疎通を図る為に「川柳」を使います。常に短冊を持ち歩いており、話しかけられると話す代わりに川柳を見せるという不思議な会話光景です。そんな七々子が気になっているのはクラスメイトで同じクラブの毒島エイジ。
目つきが悪く喧嘩を売られては買う生活のエイジ。誤解を受けやすい彼ですが、実は真っすぐで優しい男。そんなエイジに密かに七々子は想いを寄せています。エイジも七々子の事を良く思っていますが、エイジ自身が超鈍感な為もどかしくも進展できません。そんな不器用な2人の、ほんわか川柳は周囲の空気も穏やかにしていくのでした。
5・7・5の響きが心地良い「川柳」
「サラリーマン川柳」なんかで広く知られている川柳ですが、元々は和歌と呼ばれる作品の亜種(亜種はおかしいかな・・・)。江戸時代に作品の選定者となった柄井川柳という人物が、作品の中でも特に良い出来とされる歌を集めて発刊した物が大変な人気となりました。この柄井の名前から取って「川柳」という一つの独立した文学になり現代に受け継がれています。
「川柳」は人そのものであったり、社会に関して読むのが特徴です。庶民に身近な文学であり、話し言葉で綴られます。とても自由で誰でも「いま言ったの川柳だよ」といえば作品になります。「俳句」との比較がよく挙げられますが、起源は同じで違う点は、「季語」を用いること・「~や」「~けり」のような書き言葉が使われる、細かくはあるのでしょうが大体これぐらい・・・。両方「基本的には」という程度で自由に表現できる日本文学です。
文字なら伝えやすい
言葉に詰まるとか考えがまとまらないとか、よくわかります。言葉にすると感情は伝わりやすいのですが、意味が伝わりにくいってあるのですよね。七々子は自分が言葉にするのが苦手と理解して、文字で伝える方法を選んだのですが、17文字で会話ってむしろ賢い。また内容がストレートなのに嫌な書き方じゃないとか・・・羨ましい文才・・・
思惑積極的な七々子のアタックは、超鈍感ヤンキーのエイジには中々通用しません。そんな2人の関係をぬめっとした目で見ていく日常閑話作品。とにかく「可愛い」作品で、文学的な漫画と想像していたら大間違い。むしろ読んでて癒される「疲れた人の味方」でした。今回の「川柳」のように日本語の美しさと難しさを、漫画・アニメで表現するのは良いですね!文化に触れながら笑った、得した気分です。
\月額550円で見ホーダイ・読みホーダイ/
コメント も、文句以外で・・・