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めくって5ページ、もう目が離せない「告白」

告白 ☆ドラマ・小説
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4.5 各主観による構成が秀逸

事故と辞職と殺人と

シングルマザーである森口悠子中学校教師として勤めています。しかし4歳になる愛美プールに落ちて亡くなるという悲惨な事故が起きてしまいました。そしてこの日、森口は帰りのホームルームで自身の辞職を生徒達に告げ、同時に今まで話すことのなかった家庭について語り始めます。

教師として働いているため、普段は愛美を保育所に預けていました。しかし18時以降は視てもらえないため、遅くなる日は保健室に連れてきて仕事をしていました。そんないつもと変わらぬあの日、愛美はこの学校のプールに落ちていたのを発見したのです。そして森口は生徒たちに言い放ちます。

「愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたのです。」

自分勝手な言い分

章毎に語り手が変わりそれぞれが自身の主観を語る構成。冒頭の森口も主観で語っていますが、犯人も同様に主観。そのため自分勝手ながらも”環境のせいなんだ”という言い分を出します。被害者からの視点だけでなく、何があってそんな行動に及んだのかに触れる作りでした。

犯人は誰か、というのは序盤ですぐに明らかになります。森口視点の段階ですでに事件内容や関係者は出そろっていました。そうして”どうやって、なぜ”という愛美が殺された理由を探るミステリとなります。そうして語られていく各々の話では、あり得ない出来事がザクザク出てくるため、飽きる事なく一気読みできます。

これがデビュー作とは・・・

この”告白”でデビューした秦かなえですが、この1本で”ミステリの女王”と称されます。注目されるのが早く、映画化も早々に行われました。そしてその映画では、森口悠子を演じる松たか子の怪演が評判となり更に有名作となります。ミステリアスで優しく穏やかそうな雰囲気の奥にある狂気を、見事に演じきっています。

この小説、ゾクゾクします。”教師が生徒に復讐するのか!?”というのが読者のキモになります。また、その復讐内容についても捻りが効いており”ああ・・・”と力が抜けていくような絶望感を与えられます。期待を裏切らないラストには、娘を奪われた母親の恐ろしさが・・・思い知りましたよ

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