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「小市民」シリーズ文庫版ネタバレだらけの感想文!

☆雑談
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・・・とうとう終わった・・・文庫本も揃った・・・何故だか電子書籍まで揃えてしまった・・・”古典部”シリーズもやってしまうのか不安です。それぐらい気に入ってしまった小市民。2024年に文庫完結、アニメ炸裂(2期も決定)という喜びもありますが、残念でもあります。作品紹介だけでは落ち着かなくなったので、僕にしては珍しいネタバレ感想を書きなぐります。

全話、小鳩常五郎の視点で進みます。小佐内さんの視点はなく、本心が見えないところがむず痒くて面白い。文庫本タイトルは”季節限定スイーツ事件”となっており(巴里マカロンは閑話ですから・・・)、それがラストで涙を誘う・・・ではそろそろ語ろうではないか・・・

食べれなかった春季限定いちごタルト

折角買った”いちごタルト”を、自転車ごと盗まれてしまった小佐内さん小柄な狼となって犯人捜索と復讐案を練ります。怖可愛い。”小市民を目指す”2人だが、常五郎は気になると首を突っ込むし、小佐内さんもスイーツ&復讐が娯楽で止められない。そんな2人が穏やかな学生生活を送れるはずがないでしょう。恨まれてるだろうし・・・このシリーズで唯一食べる事が出来なかった”いちごタルト”ですが、それは常五郎の中で何かを芽生えさせるスイーツで事件でした。

まあでも、気になるのは”互恵関係は恋愛に変わるのか!?”という点なのです。微妙な距離感の掛け合いが面白い2人ですが、互恵関係に拘り過ぎているなあ・・・なんて思ってました。まあ・・・次巻が急展開ですがねえ・・・

苦手になった夏季限定トロピカルパフェ

小山内スイーツセレクション・夏はお見事な計略。自然に時に不自然に、自分の身を守るため常五郎を利用しました。小山内さん本人が計画し誘拐されたこの事件で明らかになった2人のズレ。その会話は小市民からも大きくズレていました。

嘘で塗り固めて石和達の罪状を格上げした小山内さんですが、常五郎の発言に”やっぱり”と感じたのでしょう。口喧嘩にすらならない2人の距離を惜しんでいたのは恐らく小山内さん。小市民を目指す、傍から見れば恋人に見える関係、どれもこれも嘘。恐らく小山内さんが先に自分の感情に気付のでしょう。

合理的な別れの提案に乗った常五郎ですが、この出来事からパフェが苦手になりました。何もせずに時間だけが経過したパフェは、お世辞にも食べれる物ではなかったのです。この事件がトラウマとなってパフェを食べられなくなった常五郎。自分では気づけないのか!?トラウマになるぐらいの出来事だったんだろ!?

マロングラッセではなく秋季節限定栗きんとん

別れた2人がそれぞれに恋人ができた高校2年。小市民と付き合う事で小市民になった気がしていた、というよりも気を紛らすには丁度だった恋人ごっこ。甘いだけの刺激では物足りないと知っている筈の2人は案の定破局。むしろ1年近く頑張った方だよ・・・

ここで小市民を言い訳にせず、お互いを理解できる人として再縁します。小山内さん曰く”小鳩くん(常五郎)はこの街にいる限り、船戸高校にいる限り、白馬の王子様がわたしの前に現れてくれるまでは、わたしにとってはあなたが、次善の選択肢”と語りました。単純に高校生活において、という文章に見えますが小山内さんの慧眼はどこまで先を見通しているのか・・・。

冬季限定ボンボンショコラ事件

別れてくっついたら轢き逃げされた常五郎。そんなイメージで進む本編ですが、2人の出会いとリンクしており、まさに小市民のルーツを語る事件となりました。重症で動けない常五郎を見張っている看護師。それを教えようとする小山内さんという構図は本当にミステリー。犯人はすぐに分かりますが、何故小山内さんが会わないのか、について何か照れてるとか?と見当違いな事考えてしまいました。ヒント盛りだくさんだったのに悔しい。

そして気になる2人ですが、ラスト病室でのやり取りが刺さる小佐内さんの”治ったら行きたいところは?”に常五郎の口からでたのは”いちごタルトを買いにいく・そろそろパフェも大丈夫だと思う・栗きんとんは絶品だった”と、まるで小佐内さんとの思い出話のよう。別れを受け入れている常五郎は、もう近くにいない小佐内さんの表情を思い出しながら食べる予定でした。

そして小佐内さんも別れを受け入れていた、と思います。しかし常五郎の”治ったらケーキ食べに周る”という発言は嬉しくて堪らなかったのでは。自分という存在をどれだけ強く認識していたか知った瞬間です。そして小佐内さんはほぼ強制な選択をあげます。”一年遅れで、私のいる京都へおいで”と。退屈しないように”巨大な迷路を作って待っている”と。甘い物が大好きで、人の皿も狙う彼女が”来たら最後の一粒をあげる”と。最後の優しい一言”わたしの次善”という言葉にこの数年間が詰まっています。この街を出て、高校から出て、後は白馬の王子様が現れない限り小鳩常五郎は小佐内ゆきにとって最善となりました。彼女の言う次善は、本当に白い馬に跨った王子様が現れない限り最高ランクなのでしょうね。

そしてこの終わり方は浪人編・大学編があるんという事です!願望です!しかし熱望です!その反面、蛇足なしで終了もいいよね!と錯乱しながらも万巻の想いで読了できたことを感謝します。

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