少女たちの能力がグロい
宇宙人を証明したい少年
NASAを目指している高校生村上良太。子供の頃に事故で死んでしまった少女クロネコとの約束「宇宙人の存在を証明する」ため、成績トップを維持し天文部で夜空を見上げています。良太は一度見聞きしたことを忘れない能力をもっており、このまま行けばNASAも決して夢ではありません。そんなある日、転校生がやってきます。
それはクロネコと瓜二つで黒羽寧子という名の少女。驚く良太ですが、更に彼女は魔法使いだと話す。物体を破壊する能力を持ち首の後ろにハーネスと呼ばれる装置が埋め込まれ、毎日延命薬を飲まないと身体自体を維持できないという。非人道的な人体実験を行う研究所から逃げ出して来た彼女はクロネコなのか、そして逃げ出して来た目的とは・・・
少女を苦しめ、そして助ける能力
ヒロイン黒羽の能力は「破撃」と呼ばれる破壊魔法。大雑把な能力で細かい制御が不能。生物には効かないのですが、直接触れていれば自身の腕力を強化して破壊する事が可能。ガラス越しだろうと、兎に角見えている物体に対しては発動します。しかし能力を乱発する程記憶が欠けてしまい、良太と出会ったこの頃は九九もできない状態でした。
他の少女たちにも1つ以上の能力があります。「予知」を持つ少女は黒羽を守るために自分を犠牲にしながら能力を使います。「操網」の使い手はインターネット上専用能力で、無条件にハッキングができ、何度も仲間を救います。そして「転移」の魔法は自分と他人の位置を入れ替えます。手を繋いでいれば複数名での利用もでき、更に転移した場合は運動エネルギー(落下速度など)もリセットされます。こういった能力を駆使して少女達が守り・戦う場面に良太は巻き込まれていきます。
鎮死剤を24時間以内に呑まないと・・・
この魔女達は毎日1度は薬を飲まないと、体が溶けて死んでしまいます。それは統制・制御されるための措置でした。薬も常にある訳ではなく、数に限界があり入手先も研究所一択という先の無い生活。明日は来ないかもしれない、そんな状況で「普通に生きている」魔法使い達に何度も泣かされました。
良太のハーレム物です。出てくる美少女達が大体良太の魔の手に堕ちます(嘘)。しかし少女達の戦いに命を懸け、誰も死なせたくないと願う良太も常に犠牲者の立場になります。今日を命がけで生きる、という言葉を物理的に体現しており、読者も苦しさを感じてしまうシーンも多い作品。グロ表現もあり、過酷な世界に目を背けたくなりますが、その先には「生きる喜び」が感じられる、安堵する、そんな作品でした。推しはクロネコですが、魔法使い全員クセがあって好きです。
コメント も、文句以外で・・・