グロありお勧め漫画です!
赤い男に壊された日常
“東京大震災”で疎開生活をしている中学生、五十嵐丸太。ある日唐突に表れた“赤い男”によってクラスメイト達が殺されてしまいます。そんな中で一人生き残った丸太は、気が付くと犯人扱い。更に“デッドマン・ワンダーランド”と呼ばれる完全に民間化された刑務所に更迭されます。
ここで丸太は赤い男によって“罪の枝”、と呼ばれる特殊能力を植え付けられ“デッドマン”となった事を知らされます。他のデッドマンとの戦いの中で疲れ、精神的にも落ちていく丸太を支えるのは幼馴染を名乗る“シロ”。丸太の記憶にないこの少女は、心の支えであると同時に“不条理”な存在なのでした。
シロが可愛くて切ない(小ネタバレありになってしまった)
シロは瞳が赤く色白で実年齢より精神的に幼く、幼い頃からワンダーランドに幽閉されていたため世間知らずでした。純粋に丸太の事を幼馴染・親友として想っていますが、行動を共にするうちに新しい感情に触れ”急激に成長”していきます。
しかしシロの中には”丸太がシロの記憶全てを忘れている”事に対して、強い怒り・憎しみ・苦しみがありました。愛情を自覚しながら強い憎悪という両極端なで相反する想いは、”丸太に殺されたい願望”を生み出します。終始丸太の事を大事に想う、そんな彼女はこの漫画において一番の不条理を生きました。切ないでしょう・・・
「普通に生きる」ことの有難さと難しさ
テーマは”不条理”で、デッドマン達は皆望んでなった訳ではありません。なぜ自分が・何故お前が・そもそも何の実験・目的は・首謀者は、、、罪の枝を植え付けたのは、誰でも良かった・偶然そこにいたという納得できない不運・境遇による不条理に、”悪”に理由は無いものだと感じさせられました。
小さな幸せを手に入れるのは難しい。理不尽で不条理で自分勝手な人間に振り回された丸太とシロ。2人の物語は「現実ではない漫画の話」と思いながらも、とても近く、とても苦しい何かを感じさせました。この作品は絵が綺麗で、ジャケ買いでもいけます。グロい描写もありますが、ストーリー自体がグロいので気になりませんよ(?)。「納得できない!」が詰め込まれた作品。すぐに追い込まれてしまう個人の弱さが印象的で、この閉塞感は私たち誰もが少なからず感じているものに思えます。辛い事が多い現実ですが、最後は”丸太”のように不条理を吹っ飛ばしたいものです。
\月額550円で見ホーダイ・読みホーダイ/
コメント も、文句以外で・・・