日本語が好きになる
コンプレックスを持つ2人
常にヘッドホンを付けているチェリーは人付き合いが苦手な男子高校生。上手く言葉に言い表せれない彼は、想いや考えを「俳句」にしてSNSに投稿することで感情を吐き出しています。そして同じ町に住む女子高校生スマイルは、前歯が出ている事を気にして常にマスクを付けています。彼女は動画配信サイトで”カワイイ”をコンセプトにした活動をしていました。
そんな似たようなコンプレックスを持つ2人の高校生は、ショッピングモール内にある福祉施設「陽だまり」で起こった”ドタバタ”の際に、入れ替わってしまったスマホがきっかけとなって出会います。2人は年が近い事もありお互いを意識するようになり、お互いのフォロワーとなります。そして”この夏”が始まるのでした。
「サイダーの ように言葉が 湧き上がる」の一句を勝手に解釈!
本作の題名になっているこの句ですが、これは見事に作品を表していました。俳句は全くわかりませんが、個人的に解釈して楽しみます。
季語の「サイダーの」が心憎い!夏ですが「ラムネ」ではないので、お祭りではなく日常の風景が浮かびます。そして「ように言葉が」と繋がりそうにない文言。最後の「湧き上がる」で繋がり、そして最初の「サイダーの」の強さが確認できます。炭酸の清涼感溢れる表現が強い。
この一句には若さと爽やかさを感じます。本作品中でも様々な句が出てきますが、近代季語が多く伝わり易いのが◎。古今の言葉を重ねた遊びが心地よく、一言一句日本語の美しさを醸し出していました。
「この夏」ってありますか?
ひと夏モノって好きなんです。それこそ線香花火のような儚さと、いつまでも終わってほしくない夏休みを感じさせる作品って胸を打ちます。結果が良くても切なくても、それこそ”今年はこの作品に出会えた”と思うモノが毎年出ますが、2020年はまさしくコレでした。
因に”俳句作品とは思ってなかった”ので、「題がなげえな」ぐらいの気持ちで読んだ漫画が元で映画も観ました。そして感銘を受けるというのか、なんだか日本語が好きになりました。本作についての感想も俳句で・・・と思ったのですが恥ずかしくて耐えれないのでやめておきます・・・。
コメント も、文句以外で・・・