江戸時代って割と悪策多い
書庫版に釣り合わない大役
姫路藩主松平直矩の元へ「御国替え」の命が下ります。これは「藩全体の移動」となるため、莫大な出費になります。そしてこの姫路藩は、今までも御国替えを行い疲弊している状態。すでに国庫も底を尽きています。しかし従わなければ切腹にもなりかねないこの命。今回の責任者に抜擢されたのは書庫版の片桐春之助でした。
春之助は書庫に閉じ籠っており、ついたあだ名は「かたつむり」。いきなりの大役に面食らった春之助が相談したのは鷹村源右衛門。源右衛門は今まで引っ越し奉行をしていた板倉の娘於蘭を紹介します。早速春之助は板倉が引っ越しの際に記録したであろう、引っ越し書簡を頼りに娘に会いに行きます。しかし当の於蘭は侍を恨んでおり、初めから聞く耳をもちません。初っ端から行き詰ったこの状況、春之助は切り抜けれるのでしょうか・・・。
「御国替え」とは
参勤交代と並ぶ江戸の悪策「御国替え」。大名の配置換えなのですが、これがなんと1藩規模で行われます。当然ですが命じられた藩の出費は莫大な金額。豊臣時代から徳川3代に渡って強行されており、この政策によって外様大名を遠くへ追いやり徳川家中心の体制を作っていきました。
しかし元々外様大名は遠方に配置されることが多かったので、実際に的になったのは「譜代大名」でした。本来は大名に対する賞罰として扱われていた命令なのですが、後には大名自ら希望するケースもありました。やはり中央政権に関わるのはストレスがあったのでしょう。ちなみに、「家臣全員引き連れて」が御国替えですが、農民に関しては移動禁止とされていました。
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江戸時代は常に大名の力を削いでいた
今回の御国替えと参勤交代を合わせ技で使っていた江戸幕府。徳川家の力だけを伸ばし、他大名には持たせたくないという姿勢がありありと見えます。この作品だけで見ると印象が弱いかもしれませんが、超高速参勤交代と合わせると違いがわかり面白みも増します。江戸の悪しき習慣を笑いながら学べました。
はっちゃけ侍、鷹村源右衛門役の高橋一生はとても魅力的。頭を使わないその行動力は、全て良いシーンを持っていき、とても好きです。かなりドタバタしていますが、これも御国替えの過酷さが垣間見える良い塩梅。チャンバラ要素が少なくても邦画は時代劇が良い味でますね。きちんと最後は感動の見せ場もあるので乞うご期待。
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