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演説の恐ろしさを”独裁者”から学ぶ「帰ってきたムッソリーニ」

帰ってきたムッソリーニ ☆映画あらすじと感想
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帰ってきたムッソリーニ(字幕版)

3.4 時代を振り返れるのは良いこと

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\サブスク引き籠り応援団です/

空から降ってきた軍人

イタリア・ローマのとある広場でドキュメンタリー映画を撮ろうと悪戦苦闘しているのは映像作家カナレッティ移民をテーマに撮影していますが、個人で近所の子供達に演技を依頼しているのため上手くいきません。その時同じ広場に空から軍人が降ってきます。カナレッティはこの時には気づかず去ってしまいました。

降ってきた軍人は手足を縛られていながらも堂々とした立ち振る舞い。彼は1945年に亡くなったはずの男ベニート・ムッソリーニ。何が起こったのかも理解できない彼ですが、新聞を見て2017年である事を知り気を失います。ムッソリーニはこの後、カナレッティと手を組みTV出演を果たし、そして悪魔的で魅力的な”演説”を披露していくことになります。

近代機器に馴染むのが早すぎ

ムッソリーニは意識を取り戻すと書籍を読み漁り、現在のイタリア事情を把握します。メディアの効果を誰よりも知る彼は、やはりTVに着目します。映像作家と出会った事も僥倖と考え、思うがままに振舞っていくのですが、いつの間にやらスマホもパソコンも使えるなんて・・・

とあるホテルでカナレッティが女性に贈るメールに悩むのですが、そこを昔気質の男ムッソリーニが代役返信します。「電文を送る。」とカナレッティに伝えると、どこで覚えたのかすらすらと打ち込み送信。さらに帰ってきたメールにも返信するという使い慣れ感が満載。早すぎるでしょ!?そしてその送信文は強く逞しい、どこか魅了されてしまう文章でした。

演説が最大の武器だった

”ファシズム”と呼ばれる独裁主義を形成したムッソリーニ。その最大の武器は分かり易く民衆を煽る演説にありました。言葉そのものもですが、惹きつける間の取り方や抑揚に”この人が正しい”と思わせる魅力がありました。しかし彼は人種差別に大量虐殺を行った人物。カリスマ性と危険思想は隣合わせという警鐘作品の一つでした。

”ハッ”とさせられるムッソリーニの言葉の数々。ブラックジョークにも聞こえますが、単純に本心で語っています。時代感覚が大きく違うはずなのですが、それでも聞いてしまうのは彼がムッソリーニだからか、それとも僕自身にファシズムがあるからなのか・・・そんな恐ろしい事も考えてしまいました。話術で人を惹きつける、そこには悪魔が潜んでいるかもしれません。演説を聞く時にはドライな耳で、1人だけに傾倒してはいけませんね・・・。

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