ビル・ナイ好きです
国が元気になる映画を作れ!
1940年代、第2次世界大戦中のイギリス。映画館で上映される作品は工場で働く女性達の奮闘を描く戦争鼓舞映画。受けが悪く情報相映画局特別顧問バックリーは悩んでいます。そんな折コピーライターの秘書カトリンが訪れます。ライターが徴兵され、代わりに広告を書いたという。バックリーは作品を一目で気に入り映画の脚本化としてスカウトしました。
「ダンケルクの闘い」を題材にした映画作りが始まりますが、その内容作りに難航します。そこで英仏兵を助けた民間人に双子の姉妹がいたという新聞記事が目に入り、映画の題材に取り上げるためカトリンに取材に行かせます。そして双子の話を聞いてみると、とてもドラマティックな展開があり映画には持ってこいでした。そして脚本をつくるのですが、待っていたのは上層部からのクレームでした・・・
何事も乗り越えていくカトリン
第2次世界大戦中は世界の大半が女性軽視の時代でした。特に既婚女性は更に安い賃金で使われています。カトリンも漏れず、脚本のためにスカウトされたといっても女性のセリフ(スロップ)だけを書かされます。しかし彼女の才能はセリフだけでは収まらず、バックリーが認め周囲も認めていく事になっていきます。
しかし次の壁は上層部。双子は海を渡っていないとか「ダンケルクの闘い」ぽくないとか。そこをカトリンが一蹴する姿は心地良いものでした。仕事への情熱が彼女の地位を押し上げていきますが、私生活は少し落ちてしまいます。仕事も私生活も工夫と我慢で乗り越える女性の姿が逞しく映っていました。
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人生に脚本はない
ドラマのような出来事は良い事・悪い事の2通りがあります。この戦争という暗い背景では悪い事の方が多く、辛くなる時は誰しもあったのでしょう。常に全力で生き抜いてきたカトリンや、その他の登場人物は全員が物語の主人公として前を向いていました。戦争の辛さから目を逸らさないように、そして希望を捨てないように訴えてきます。
戦争映画として秀逸ですが、脚本家や俳優ばかりの登場人物はセリフがお洒落。恋愛模様だけでなく、励ます時も軽快に冗談めいて。言い回しで言葉遊びをしながら会話を楽しんでいました。何気ない日常を映画のワンシーンのように飾る姿は、業界人ならではの人生の楽しみ方。要所要所でビル・ナイが輝く、英国映画らしい、胸にじんわり響く作品です。
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