チョビとミケに会いたくなる
般若な犬が・・・
高校3年の西根公輝と二階堂昭夫はH大学の敷地内で「般若」を見つけます。丁度そこに逃げ出した犬を探していたH大の教授漆原が出てきます。この般若は「シベリアン・ハスキー」という種類の犬で、現在里親を探しています。漆原は公輝に目を付け、「君は将来獣医師になる。この子犬を掛けもいい。」と子犬を押し付けるのでした。
公輝は一軒家で祖母と猫、そしてニワトリとの生活です。犬を育てるには申し分ない環境ではあります。早速名前を付けますが中々覚えず、二階堂が勝手に呼んだ「チョビ」にだけ反応してしまうため「チョビ」と命名されます。そして公輝は知ります。注射や健診などで多額の病院代がかかることを。そして病院代を節約するため、漆原教授の目論見通り「獣医師」を目指すのでした。
西根家のアネゴ「ミケ」
「動物のお医者さん」では会話はできないのですが動物達の考え・思いは吹き出しで表現されています。人と動物、お互いの思惑が少しずつずれるトコも作品の魅力ですが、その中でも注目が公輝の祖母タカが飼っている三毛猫(メス)「ミケ」です。何故か関西弁で公輝のことを「ハムやん」と呼んでいる彼女はアネゴ体質な様子。
「子供の相手なんてできるかいな」と言いながらも、一旦スイッチが入ると全力で遊び、しっかりと教育的指導を行います。そんなミケは蠅取り紙に絡まったり、猫間違いで毛を刈られたりと複数回に渡ってハゲを作られる不幸体質(女の子なのにね)です。この激しい気性のミケと、おっとりのチョビのコンビが温かい雰囲気を作っています。
動物達も飼われてるだけじゃないんだぜ
登場動物達の心の声を見ると、我々が思うよりもずっと気を遣ってます。注射やお風呂のシーンでは「確かに言ってるよな」と笑ってしまいます。そして同時に会話できなくて良かったとも思います。だって理解できてしまったら「遊ぼ・御飯・それは嫌」って日常的に甘やかしてしまうじゃないですか・・・やはり動物との付き合いは距離感もってどちらが飼い主かわからせる必要があります。例え人間側がペットであったとしても・・・
「お医者さん」という事ですが詳しくは獣医師を目指す大学生の日常です。可愛い動物達との奮闘記が描かれており、一番良いのが「動物が死なない」という動物医療物。ドタバタコメディで全動物が幸せに、楽しそうにする作品です。しかし漆原教授だけは異質で、実在しそうなトラブルメーカー。残念ながらこの教授、とても好きなキャラでした・・・
⇑ 「秘密のレプタイルズ」も様々な生き物が登場します
⇑ 小説「旅猫リポート」は猫の気持ちがヒシヒシと伝わる感動作です。
コメント も、文句以外で・・・