測れないけど知りたい数値
数値化された”サイコパス”
西暦2112年、日本では”シビュラシステム”が導入され、性格・心理状態等を数値化し”犯罪予防”の徹底を行っています。このシステムでは罪を犯していなくとも、一定の”犯罪係数”を越えると”潜在犯”として逮捕が可能となります。この日警察組織にある新人が配属されました。
刑事課一係に配属された新人常守朱は、どんな時でも犯罪係数が高くならないという体質。”どこで働いても大丈夫”とシビュラシステムから評価されています。早速執行官の狡噛慎也、征陸智己、縢秀星、六合塚弥生4人が部下に充てられ現場に向かうのですが・・・。
観る前に知っておくと分かり易い専門用語
本作はこの世界だけの用語がかなり多いのが特徴。分かりにくい言葉もありますが、とりあえず知っておく方が良い言葉を先に記しておきます。
犯罪係数
犯罪者になる危険性を現わした数値で、100を超えて安定してしまうと”潜在犯”と認定され、その数値によって隔離・治療・最悪排除が行われます。
監視官
ドミネーターの所持権限を持ち、執行官の監視・指揮を行います。捜査活動現場では全責任を負うエリートで、犯罪係数の低さから善良かつ健全な精神と知性・判断力に優れた者が選任されます。
執行官
監視官の下で実際の捜査を行う刑事。犯罪の理解度が高く、予測・解決する能力に優れていると評価されていますが、犯罪係数が高いため監視が必要とされています。監視官が同伴しなければ外出も許されていません。
ドミネーター
監視官・執行官だけに携帯を許された光学の大型拳銃。正式名は携帯型心理診断・鎮圧執行システム・ドミネーター。生態スキャンを行い、その場で犯罪係数をだします。係数が低い場合には発砲できず、100を超えるとパラライザー(麻酔銃)となり、300を超えるとエリミネーターモード(排除)へと切り替わります。
免罪体質者
特殊な体質・思考・心理構造を持っており、通常犯罪係数が上昇する状態に置かれても数値が計測されないという体質を持った人間のこと。本作1期においてはシビュラシステムを唯一否定できる存在。
実は他にもあるんです。しかしそれは観ながらの方が入りやすいと思いますので、とりあえずこの辺り知っておけば展開に置いて行かれる事はありません。この免罪体質者とドミネーターによって疑問が生まれていきます。
数値化したために”本物”は見つけられない
現実世界で考えると感情の昂りがなく人を傷つける事ができる存在がサイコパスです。本作ではこの”矛盾”をテーマに物語が進んでいきます。この怒り易い・落ち込みやすい・日頃から妄想する=犯罪をする確率が高いという考え方に特化したシステムは、心穏やかに殺人が出来る相手には対応できません。この世界は感情が強い物=犯罪者という危険な決めつけが徹底されていました。
シューティングゲームしてるから、動物を狩るゲームしてるから、そんな理由で犯罪者になったという傾倒主義の行き着く先の世界。不穏な空気で進む本作は”犯罪とはなんぞや?”という疑問をぶつけています。これはシビュラシステムに縛られた人形から、人間であることを取り戻していく物語でした。
⇑ ”罪”とは誰かが作ったモノなのだろうか・・・
コメント も、文句以外で・・・