権利とは権力者が持つものなのか・・・
真相はシビュラの中
精神的な動きを”サイコパス”と命名し、数値化に成功した日本。この数値の上昇によって潜在犯を見つけ出す事に成功していますが、実はこの正体は”人の脳の集合体”であり機械統制ではありません。天才・サイコパスな脳も入っており、感情的ではありませんが人道的とは言えないこの秘密は監視官である常守朱しか知らない極秘情報でした。
その常守は密入国者グループの制圧に成功します。銃火器で武装した彼らは何故かシビュラの管理システムを熟知した動きを見せていました。更に常守の後輩・霜月美佳が犯人の脳をハックした情報によると、そこには常守の元執行官・狡噛慎也の姿が。狡噛が密入国者を送り込んだと推察する局長ですが、常守は確認のため東南アジア連合・シーアンへ単身向かうのでした。
権力者による統制
犯罪を犯す前に犯罪者を見抜く、というシステムは内戦続く世界各国で注目されています。特にこの2114年の世界では政情不安定で国家としての機能が成り立っていない事も多く、このシーアンも”自治区”という小さな集まりでした。しかしシビュラシステムを導入した事で秩序が成り立った、かのように見えています。
しかし現地の様子を見ると、日本よりも極端な人間の選別が行われていました。しかもそれはシビュラシステムを盾に、一定の人間(権力者)にとって都合の良い社会構築の狙ってのこと。所詮は機械、人間が改変できる物という独裁的な動きです。この独裁者のサイコパスを裁けるのか!?という展開が熱かった。
それは理想郷か恐怖政治か
戦争続く国の実情を見るとシビュラシステムで統制された日本は安全でした。常守の友人が結婚に悩むシーンがありますが、戦争と比べれば些細な話。ある程度の自由を犠牲に、ある程度の幸せを得る、という合理的なモノを感じます。しかし狡噛は抗います。戦争をしてでも守りたい何かのために。安全とか幸せとは、何かを犠牲にして成り立っているのでしょうか・・・
サイコパスという作品は本当に沼。考え尽くされた設定にうなってしまいます。システムに干渉し、人間らしい幸せを思う常守と人間らしさを守る為に戦う狡噛。似てる二人ですが同じ道では進めないのです。感想は”深い!面白い!”ですが、本作はTVアニメ版のシーズン2後のストーリー。せめてシーズン1を見ておかないと理解しにくい、というより損です。単純な戦争アニメではないので、アニメか漫画のどちらかは見ておくと評価爆上がりしますよ。
コメント も、文句以外で・・・