最近では多い?魔王と勇者の恋愛物
「われの物となれ、勇者!」「断る!」から始まる大冒険
人間と魔族が争い疲弊していく世界。人類の希望として強大な力を持つ人間”勇者”が魔王の城へ乗り込みます。そして魔王の玉座へ辿り着き、相対した”魔王”は人間の女性と同じ姿をしていました。そして彼女は提案します「この我のものとなれ!勇者よ!」「断る!!」と瞬で断る勇者でしたが、魔王は提案の理由を語り始めます。
好戦的な勇者に対して魔王は何故人と魔族が争うのかを話します。種族に関係なく戦争によって社会の秩序や経済が定まっており、魔王か勇者どちらが倒れても新たな敵が出て来るだけという内容でした。争いのない世界を作る可能性を信じる魔王に惹かれ、そして勇者は魔王のものになることを承諾します。魔王は”紅の学士”、勇者は”白の剣士”と素性を偽り平和の世界”丘の向こう”を目指すのでした。
2ちゃんねるから生まれた
原作は橙乃ままれによる小説なのですが、2009年当時に2ちゃんねるに投稿された即興小説を書籍化したのが始まり。2010年から2年に渡りシリーズが続き、アニメ・漫画・ドラマ CDと展開されています。2ちゃんねる生まれという話題もあり、原作60万部の大人気作品です。
魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る」
この2ちゃんねるのスレッド名から始まった本作。今では珍しくもないが、当時は目新しかった魔王×勇者の恋愛ファンタジー。生真面目で優男な勇者と、カワイイ巨乳な魔王(駄肉と呼ばれるほど)が”戦争のない世界”を目指し共闘します。ほのぼのに見えますが、かなり社会の在り方についてメス入れしている作品となっています。
戦争よりするべきことがある
2人が最初に改革の必要ありと考えたのは冬の国で起こっている飢餓問題でした。ここでは風土を活かした植物”馬鈴薯(じゃがいもですね)”の栽培を始めます。風車やノーフォーク農法によって食糧問題を解決させます。素晴らしい改革ですが、”国力が高まる事を危惧”したり、”弱国のまま利用したい”という他国にとっては疎ましい話。やっぱり戦争の臭いが漂うことになります。
本作の魔王は知識があり、勇者は力があるという対の存在。世界の改革には知識だけではなく力も必要と考えるリアリズムな作品。説明や文化の違いといったストーリー展開が長く多いため、アニメよりも小説向きかもしれません。序盤は国改革、終盤はファンタジー要素たっぷりに勇者の実力が解放されるという2部構成な感じは良いスパイスでした。社会経済を学べる貴重なアニメ。多分ないけど、2期来て欲しいなあ・・・
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