叫ばないブルース・ウィリスもいいものです
小児精神科医の苦悩
長年小児科医として勤めたマルコム・クロウは、妻との2人暮らし。妻から「仕事ばっかりで私に構わなかったけど、そのおかげで表彰までしてもらったわね。」なんて言われながらも平穏に暮らしていました。しかしこの日、かつての患者ヴィンセントが不法侵入。「自分を救ってくれなかった!」と錯乱し、マルコムを撃ち自殺したのでした。
それから1年ほど、夫婦の会話もできなくなりマルコムは悩みます。同時に小児科医としてコールという少年のカウンセリングを開始します。コールは周囲から”異常者”扱いを受けており、その事が原因で閉じ籠っていました。マルコムはコールの気を惹きつつ話をしますが、それでもコールは自分の”特殊な力”のことを中々打ち明けられないのでした。
ブルース・ウィリスが小児科医
日本では鬱・情緒不安・強迫観念・幻覚・不登校といった、心理的問題に係る全ての症状について対応する専門医です。ブルース演じるマルコムはとても優秀で、コールに対して”興味を持たせる”アプローチに長けているのが良くわかります。色々とゲーム感覚で接するのは流石!と感服しました。
本作のブルースは銃を持ち歩きません。爆発もないし世界や地域を救う事もなく、ちょっと車の窓割る程度の暴力で済みます。しかし本作に感じる”凄み”というのは、歴代主演のバイオレンス系映画を上回っていました。物静かで重厚な役を叫ぶことなくこなしたブルースは、間違いなくサターン主演男優賞(ノミネートだったけど)モノの名優です。
コールの言葉は何を訴えているのか
ハーレイ・ジュエル・オスメントが演じたコール。可愛い子供でありながら、ハッとさせられる台詞が頭に残りました。以前コールが描いた絵で母親が呼び出された事から「今は笑ってる人とか虹を描いてる。」と話します。そして後半に「彼らは自分たちが見たいモノしか見ないから。」のセリフは素晴らしい伏線でした。
この台詞は作品の結末にかかってくるのですが、ソレとは関係なく気になる言葉でした。特に現代ネット検索では”検索した・調べたいモノ”から、更に気になったタイトルを選出できます。見たくない・興味が湧かない事は見なくて済むんです。そう思うと僕もそっち側なのかなあ・・・なんて深けてみました。この名作をまだ見てない方はラッキー。是非楽しんで2回観てください!
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