笑った・・・本当に笑った・・・
好き勝手の公務員人生
イタリア人のケッコはアフリカのとある場所へ向かっています。道中ハイヤーが故障し歩くことになり、更に原住民に捕まりこの地に訪れた理由を問われます。ここから始まる話は、子供のころから「公務員になりたい!」と夢を見、そして夢を叶えた男の成功と現在に至る物語です。
イタリアの公務員はまさに神職。言いたい放題・やりたい放題な上に崇められるという王様的な立場。ケッコも同様に婚約者あり、お金もありの文句なしな生活。しかし新大臣による大改革、公務員削減計画によりリストラ候補に。退職金上乗せで自主退職を勧められますが、王様生活継続のため拒否します。その結果過酷な地への異動を言い渡されます。そして北極異動でケッコは運命の出会いを果たします。
やりすぎ感がサイコーに笑う
イタリア公務員は本当に素晴らしい職でした。ケッコの不当で過酷な異動についてですが、基本給+赴任手当(国外)+危険手当で合計3700ユーロ(イタリア平均1400ユーロ)という破格待遇。相談相手の議員は「聖職を手放すんじゃない!」とケッコを平手打ちして応援?します。さらにことあるごとに休職・傷病休暇特権利用を勧めてくるヤバイやつです。そしてそれがまかり通るという頼もしさ(笑)
極めつけは作中に出て来る「歌」が本当に良い!この歌詞には皆惚れます。
・芝生で踊る40歳の年金受給者、10年空軍で働いただけ
・風邪を引けばアバの温泉で4カ月の湯治休暇
・爪が食い込んだら生涯受け取る障害年金
・公債は子供達に任せればいい
この歌を聴くだけでも本作を観た甲斐がありました!
Viva!公務員(字幕版)
大事なものは失ってから
ケッコにとって公務員は唯一無二のものです。職にしがみつく姿には感動すら覚えました。そんなケッコですが1人の女性との出会いで大きく変わります。人間性まで変えてしまったこの出会いですが、それでも公務員は手放しません。そんな徹底した「公務員至上主義」なケッコが、一番最後に気付く大切なものとは・・・。
笑いに溢れた作品ですが、テーマはしっかりしています。作品上映当時、イタリア公務員の汚職や無駄の多い特権が社会的な問題になっており、本作のケッコもどっぷり浸かっている公務員。政治的な風刺を取り入れていますが、オチはとてもイタリアらしいもの。強いコメディ色に隠されていますが、実はしっかりしたメッセージがある作品でした。
コメント も、文句以外で・・・