5つのレッスンで通じ合う
困った子供達
夫が戦争に借りだされている為、農場経営と3人の子供達を一人で見ているイザベル。しかも夫の弟であるフィルが賭博に負けた借金を、農場売却でチャラにしようと企んでいます。そんなバタバタの真っ最中にイザベルの甥と姪が疎開の為やってきます。3人のやんちゃな子供達に、生意気で活発な2人が加わりイザベルは頭を抱えてしまいます。
そこに現れたのはナニー・マクフィー。怪しげな風貌と見栄のため「大丈夫。間に合ってます。子供達は良い子だし。」とイザベルは断ります。しかし喧嘩している子供達を見てマクフィーは部屋に入ります。そしてマクフィーは杖で床を叩き、喧嘩ができないようにします。更にもう一度杖を使い仲良く同じベッドに付かせました。マクフィーの5つのレッスンが始まったのです。
人を育てる”5つのレッスン”
マクフィーは毎回、ナニー(乳母)の期間に5つのレッスンを行います。このレッスン全てをクリアするまでは立ち去りません。しかしクリアした時は、望まれても立ち去ることを子供に告げます。5つのレッスンはその家庭によって異なる内容で、そして子供達に必要なモノだけを選択しています。
今回のお題は1.喧嘩はしない 2.分かち合う 3.助け合う 4.勇敢であること 5.信じ続ける事 でした。出会い初めからウマが合わず、喧嘩を繰り返す子供達にこの課題は中々ハード。要所要所で言う事を聞かせるために魔法を使うのですが、本当の使い方はそうではありません。マクフィーは子供自身が、自分で責任を持つ!と決断した時に必要な魔法を使うのです。
空飛ぶ理由(ブタ以外)
子供達より厄介な問題は大人のフィルでした。イザベルの元に夫の死に関わる電報を持ってくるなど、色々な嫌がらせをします。そこで立ち上がるのは子供達。本当に死んでしまったのかを調べるため、甥の父親陸軍省グレイ卿の元へ長男と甥が向かいます。真剣な想いをぶつける2人を助けるのはもちろんマクフィーです。
どこで・どんな魔法を使うのかはマクフィー次第です。しかし彼女が”願い”のために杖を振るう時、いつも”あなたがやるのよ”と暗に示しています。魔法は手助けのために使いますが、願いのための行動と結果は本人に委ねます。子供に成長を促しながらも、大人に導き方を教える本作は年齢に関係なく人間の教科書。マクフィーと関わった子供は必ず”やり遂げる力”が身に付きます。前作が2005年、今作が2010年。次回作はないのかなあ・・・
コメント も、文句以外で・・・