必要なのは”友人”だった
力の使い道
超怪力・飛行能力・不老とスーパーマンに匹敵するパワーを持つ男ジョン・ハンコック。彼は何か事件があれば”人助け”の為に文字通り”飛んで”いきます。しかし周囲の事を考えず犯人しか見えていないハンコックはパトカーと道路、更にはビルも破壊してしまいます。人助けの結果、更に甚大な被害を及ぼすハンコックは街の嫌われ者でした。
そんなハンコックが列車に轢かれそうになった所を助けたのはレイ・アンブリー。慈善活動に熱くお人良しのレイは、ハンコックに救われた恩返しと”人に好かれるため”のプロモーション戦略を考案します。ハンコック自身も変わりたいと考え、レイの提案”今までの謝罪と、罪を認めて刑務所へ入る”ことを決断しました。この戦略の意味とは・・・・・
表情で語るウィル・スミスがGOOD
酒を煽り短気で子供を泣かす非品行方正なヒーロー。何も考えていないような、ぶっきらぼうでテキトーで不器用、上手に人と関われないという粗暴な役を”表情”で語ったウィル・スミスの一人勝ち作品。序盤は言葉が少ないハンコックですが、どこかしら虚しさ・寂しさ・反抗という感情が読み取れるので感情移入してしまいました。
このウィル・スミスは言葉少ない作品でも”自分”を出せる俳優。”素晴らしき哉、人生(ブログリンク)”でもほとんど喋らないのに雄弁に感情が伝わってきます。また虚無から希望を見つけた瞬間の表情は感慨深い顔で、観ているこちらが”うん、うん”と反応してしまう程でした。人と関わりを避けていたハンコックの”変わりたい”が深々と感じられます。
”悪党を懲らしめる”だけではヒーローにはなれない
この作品を観て思い浮かんだのが”キン肉マン Go Fight!(アニメ主題歌)”でした。超人であり悪党を倒す、それだけで正義とはいえません。ウルトラマンなんかも”街が壊れる問題”がよく上がった作品で、このハンコックはそんなヒーロー達の実情に焦点を当てています。求められるのは”倒す強さ”ではなく”守る心”で、常に心に愛を持つ事ができれば”スーパーヒーロー”と呼ばれるのでしょうが、果たしてハンコックは愛を持てるのか・・・
コメディでありながらもハンコックの心情を見せつけるヒューマニズム溢れた作品。この世に自分と同じ人間がいない、そんな孤独を想像させられます。重さと軽快さのバランスが良い作品で、これからヒーローを目指す人たち(?)の教育映画に持ってこいです。そして観る方に一つだけ、”字幕版で観る”ことをお勧めします!
「キン肉マン THE LOST LEGEND」 オリジナルサウンドトラック
⇑ ”ヒーロー”に”孤独”はつきもの
コメント も、文句以外で・・・