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”全ての犯罪”が許される日
2022年、アメリカでは犯罪率1%以下という圧倒的な治安維持国家となります。しかしそれは”パージ”という異常な政策によるものでした。このパージとは、年に1晩だけ全ての犯罪を合法とするシステム。その時間、その地域に居る者全てが対象となり、この日だけ武器を持ってアメリカに訪れる者もいました。
パージまで後1時間に迫ったこの日、セキュリティ会社に勤めるジェームズ・サンディンは売り上げ一位を達成しご満悦。妻のメアリーは近所の主婦から「自宅を大きくできるのもパージのおかげね。」と嫌味を言われています。ジェームズ家は万全のセキュリティシステムに守られた”安全な家”の見本でした。しかしとある黒人男性をかくまった事から恐怖の一夜が始まるのでした。
パージ法とは
アメリカ経済が崩壊し失業率も爆上げした近未来(既に過去になってますが:現在2023年)、犯罪率は上昇する一方となります。そこで新政党”NFFA”が発案した政策が”パージ法案”でした。一応パージ中にもルールが存在していますので確認しておきます。
【ルール】
・実施日は1年の内で1日だけ
・実施時間は夜19時から朝7時までの12時間
・レベル4(ロケットランチャークラス)未満の武器は使用可
・ランク10以上の政府職員には攻撃禁止
・パージ時間中は警察・救急・医療・消防機関は稼働停止
箇条書きで並べてみましたが、”これならいいね!”と感じる内容ではありません。開幕時には”ブォォォォォォン”といういかにもなサイレン音が鳴り響きます。民衆が日頃のストレスを発散できるという事で犯罪抑制になり、パージに備えるために経済が周ります。結果的には素晴らしい法案になりますが、しかし当然ですがNFFAの目的は別にありますが、それは続きの作品になります。
所詮”犯罪”なんて人間が作った言葉
”合法”にしただけで犯罪数や死者は減ってなさそうなパージ法。誰かを傷つけないと鬱憤は晴らせないという情けない手法ですが、現実でも効果がありそうに感じることが恐ろしい。結局”犯罪”というのは人が作った言葉で、”合法”と言ってしまえば何が起こっても問題なしです。むしろこの日まで我慢すれば嫌な人をヤレル・・・人付き合いも大事になりそうです。
この法案で一番ダメージ喰らうのは、その土地から出る事が出来ない貧困層です。そもそも武器も買えませんから。政府の狙いも当然そこにありますが、こんな露骨な法案でも”政党”が働けば可能なんだよ、というメッセージを受けました。既にこの作品では投票など無意味な物となっていますが、やはり自国を守るための現実的な方法は”投票に行こう!”という事です。
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