決闘が生々しく泥臭い
この決闘は何のため
1386年パリ、フランス国王シャルル6世は興奮気味に決闘場を訪れています。この日ジャン・ド・カルージュとジャック・ル・グリの両名による”決闘裁判”が行われるのです。この2人は互いに命を助け合った戦友。お金や人心を集めるのが得意で伯から一目置かれるジャックは、戦いしか能のないジャンに対しても敬意を払っていました。
この2人が争う理由はジャンの妻マグリットでした。戦いから帰ったジャンはマグリットから「ジャックに強姦されたの。」と訴えます。そしてジャンは強姦の噂を広める事で、ジャックの逃げ場を無くします。そして審問が行われると、ジャックはその場で手袋を床に投げつけ”決闘”を提言。ジャンはその手袋を拾い上げます。そして封印されていた”決闘裁判”が行われる事となるのでした。
アクションが泥臭くてイイ!
激しくぶつかり合う戦場では、剣で突く・斬るではなく”叩きつける”というイメージです。また一回の打撃では倒れず、2・3回と叩きつけ、更に止めを刺すという非常にリアルな戦いが泥臭くて好きです。そして2人の戦いはというと、感激してしまうほど、臨場感に溢れていました。
馬上から双方槍で突撃。鎧の上から突かれ、よろめきながらも数回に渡って槍を手にします。そして馬を突かれ転落すれば、剣に斧に鎖に素手と、とにかく攻撃あるのみ。一撃必殺ではなく、出血しながら叩き合う姿は痛々しくも”決闘”という感じが強く見えました。しかし戦友である2人の戦いは虚しく、産み出すものは何もないモノでした。
正しさは”勝利”でしか証明できない
強姦されたマグリットは身内から「何故そんなに騒ぐの」と言われたり、「快感を感じないと子供は生まれない」など言われています。そして証言の正否に関しても決闘で勝利した者の言い分が正しいと判断されます。それは”真実とは違っていても”という事なのです。
とても不毛な戦いですが、事実にもとづいてつくられた作品。科学等頭になく、誰かが決めた何かを検証もせず信じている時代の事です。勝者には何がもたらされるのか、そしてマグリットはこの決闘に何を感じ何を考えているのか。こんな時代に生れなくて良かったと、モニター越しにポテチをほおばりながら思いました…
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