るーみっくワールドの王道・定番
ボクシングより喰い気、でもそれ以上に・・・
4回戦C級ライセンスボクサーの畑中耕作は屈指のハードパンチャー。しかしプロになってからは1勝もできません。しかもその理由が”減量の失敗”です。食欲を我慢できないだらしなさのため、試合に出る事すらなく負け続けています。元々フライ級ですが減量をしたくない為、階級を上げていますがそれでも結果は同じでした。
楽天的で反省をしないように見えますが、食欲に負けた際には近所の修道院に懺悔をしに行きます。と、言ってもあくまで名目であり、本当のお目当てはシスター・アンジェラ。真面目な彼女は耕作の懺悔を受け入れ、叱咤激励してくれます。耕作の気持ちには気づいており(元々隠してない)、悪い気は持っていませんが、神に仕える身として恋愛は禁じられています。2人の恋の行方と、耕作の木サー生活と、どちらも妙に気になる物語の始まりです。
ドラマ化もされた、むしろドラマの方が有名かも
2008年に亀梨和也と黒木メイサのコンビでドラマ化され、対戦相手のエピソードに至るまで丁寧に作られたと好評でした。耕作の性格を捉えた演技で、ドラマ中”浮いている”ように感じられる亀梨ですが漫画読んだ人にはしっくり。漫画との違いとしては、ラブコメよりもホームドラマよりに作られていたことです。結果、ドキドキせず安心して観られる作品になっていました。
このドラマ、当時は平均11%近くと割と人気。コラボや企画が盛り込まれる事となってからは、同クール作品”貧乏男子ボンビーメン”では原作コミックが登場。さらに主人公の夢の中では、ドラマ版作品のボクシングジムが登場。”コラボ”の流行にのっかった戦略が節々に見えました。しかし”変わらない良さ”という、流行とは逆の強みが漫画にはあります。
高橋留美子作品
だらしない、どうしようもない男が、美人で芯の強い女性に惚れます。軽いコメディで”くず男”を演出するので、”しっかりしろよ!”とは感じますが憎めません。そして女性が心惹かれていくシーンや描写が温かい。かっこいいではなくても、何となく”この人だ”という理由が見えます。
本作はそんな高橋作品、いわゆる”るーみっくわーるど”の王道・定番で変わらない良さと純愛が沁みいる作品です。全巻で4冊と短く、ボクシングは派手さがなく表現も弱いもの。ボクシングがメインではなく、あくまで恋愛物として読むべき作品。「うる星やつら」「らんま1/2」にも負けない良作品ですよ。
コメント も、文句以外で・・・