最後は全員笑顔で
”最後まで見届けてほしい”
雪が舞い落ちるこの日、雪ノ下雪乃は水族館からの帰り道で八幡と結衣に自分の名前が雪乃降った日に生まれたからと話しだします。母親の意見が強い家庭に育ち、父の後継は姉と決められていますが、本当は”自分が継ぎたい”と本心を打ち明けました。そして2人に「最後まで私を見届けて欲しい」と”依頼”をするのでした。
日が変わり八幡はクラスメイトの沙希とその妹京華に駅前で会います。八幡が京華にクロワッサンをご馳走していると、高校受験を終えた妹小町と合流します。沙希達と別れ小町と買い出しをすまし、久しぶりに小町が自宅で夕飯を作ります。普段と何気ない風景ですが、小町は八幡に正面向き「お兄ちゃん、ありがとう」と感謝を伝えます。八幡は兄として妹の成長と自立していく姿に思わず泣いてしまいました。”俺ガイル完 3期”の始まりです。
3人共大きく変わったなあ。。。
”ぼっちの達人”の異名を欲しいままにしてきた(?)比企谷八幡。夢は専業主夫であった彼ですが、この3期では人見知りが緩和され、女性嫌い・不信もかなり改善。ハーレム状態になっている事が多くなりました。1期での”やさグレぼっち感”が好きだったので少し残念。誰かが傷つくなら自分が傷つく方が良いという自己犠牲思考も、この3期で”自分のための選択”ができるようになります。
雪ノ下雪乃は妥協ができず、完璧を求めるあまり他人と深く関われない性格でした。奉仕部の躍以来、八幡の評価が下がる時には必ず雪乃の評価が上がっています。そして”ぼっち”から解放された彼女は、3期で産まれて初めて”友人にお願い”をします。周囲を頼る姿に”孤独ではなくなった”と自分で認識した事が理解できてちょっと涙が出ました。
由比ヶ浜結衣は”奉仕部”のおかげで一番大きく変化しています。登場時では陽キャグループに在籍しながらも、自分の意見が言い出せない女の子でした。”アホの子”という評価は最後まで付き纏い、料理(お菓子)作りの腕前も成長はありません。しかし彼女はこの3人の中で一番”3人でずっと仲良く”という想いを持っており、恋愛・友情の喜び・苦しみをキチンと受け止める事ができる”強さ”を手に入れた女性になっていきます。
どんな感情もひっくるめて”好意”
”好き”の形がややこしい男女の物語。まっすぐな結衣も”友情と恋愛”に悩み苦しむほど入り組んだ作品で、”誰かが完全に手を離せば3人共2度と集まらないかも”という危うさのある関係が青春。誰かを好きになる時の感情は”好き!”だけではなく嫉妬だったり、ちょっと憎たらく感じたり。そういう複雑なモノをひっくるめて”好き”って言うんだよ、という答え合わせが素敵でした。
1期・2期・3期と疾走しためんどくさい学生達の青春ラブコメ。最後まで爽やかなセリフなんてありませんが、八幡の性格と言い方を考えれば当然。思考に思考を重ねて”言葉だけでは表現できない”という、“言語化できない感情”を表現した名作です。追加駄文ですが、最終話で八幡の後輩”いろは”が八幡妹”小町”のことを「お米ちゃん」と呼ぶシーンが何故か心にのこりました。
⇑ ”めんどくさい恋愛”を引き継いだのは「かぐや様」でしょう!
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