イカレててイカしてるベイルがいい!
”超”がつく完璧主義者
1988年ウォール街の投資会社P&Pで副社長を勤めるパトリック・ベイトマンは、かなりのナルシスト。都心の一等地アッパーウエストサイドでアパートを借り、日課の筋トレ後はシャワーを浴びながらの美容パック。定期的にサロンに通いブランド品で着飾るという一見完璧な生活を送るベイトマンですが、その完璧主義ゆえに悩みが尽きません。
この日は高収入・高学歴な同僚達と談笑しています。ふとした事から”名刺の披露会”が始まり、ポール・アレンが出した名刺がベイトマンの物より遥かに優れていました。ベイトマンは自信のあった名刺が負けている事に苛立ち、アレンに憎しみを覚えてしまいます。そしてその苛立ちをホームレスと犬にぶつけ殺害します。それでも収まらないベイトマンはアレンを食事誘い酔わせ、ビニールで覆われた自室へ連れ込むことに成功し、その後・・・
斬新すぎて理解困難な世界
ベイトマンの狂い具合は中々に斬新。娼婦を呼んだ部屋で自分の好きな曲を爆音で流し、そして曲の説明・考察を聴かせる上に、鏡に映った自分を見ながらの性行為という狂いっぷりはナルシストの枠を超えてきたのではないでしょうか。自分本位で沸点が低く、衝動的なのに計画性があるというサイコっぷりがイカしてました。
有名(?)な”名刺バトル”は全体的なデザインは当然ながら、文字の浮彫から色彩・文字フォントのバランス、紙質と厚みまで査定するというちょっと常人には分かりづらいモノで、高貴な方々の遊びと思って下さい。しかしベイトマンはこの戦いに負けたことで狂いますので、決して見逃してはいけないワンシーンです。
クリスチャン・ベイルの起用が正解
主人公パトリック・ベイトマンを演じるクリスチャン・ベイルは、この役の為に俳優になったのでは・・・端正な顔立ちと筋肉質な体つきに心の奥が読めないキャラ。そして何より目を見開いて瞬きせずに大口開けて笑う姿は夢にでる。こんな裸チェーンソー男にアパート内を追いかけられる・・・濃いなあ・・・裸にチェーンソーが似合う俳優NO1ですね。
初見(2回も観るかな?)では「どうなってんだこれ?」と感じがちですが、あまり深く考えずに楽しむ映画。”面白いのかどうか”という点を超えた作品で、評価は高くないが心に刻まれる名作。クセの強さが魅力の「アメリカン・サイコ」は何となく最後まで見入ってしまう作品が好きというニッチジャンルです。
⇑ 「ヒッチャー」も危ない悪党
⇑ ドラマ「デクスター」も部屋が汚れないようにビニールをつかいます・・・
コメント も、文句以外で・・・