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従順で美味しい、そんな復讐を「デリシュ!」

デリシュ! ☆映画あらすじと感想
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4.0 

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\サブスク引き籠り応援団です/

食事は貴族のために

1789年のフランス、庶民は一日の食事に困る貧困生活。しかし貴族は違っています。このシャンフォールの城では料理人達が忙しく今日の集まりのために豪華な料理を構えています。厨房を仕切るマンスロンは、この日の為に”デリシュ”という創作料理を準備していました。しかし”ジャガイモ”を使った事から「根を食わすのか」と貴族の反感を買い、城から追放されてしまうのでした。

実家へ帰ったマンスロンは息子バンジャマンと、高齢だが馬に慣れているジャコブ営む馬車停留所を手伝います。やる気を失い”もう料理はしない”と誓って・・・。そんなある日、「弟子にして」ルイーズという女性が訪れます。料理自体関わらないと決めたマンスロンは断り続けていましたが、彼女の情熱に負けます。しかしルイーズには”他の目的”があったのでした。

フランス料理にはジャガイモ愛がたっぷり

フランスにジャガイモが来たのは17世紀。貧民の食べ物として流行・・・ではなく、むしろ貴族が珍しがって食べていました。何故か、それはジャガイモはただ焼く・煮るでは味がありません。当時の一般家庭には油がなく薬味が限られているので、ジャガイモ料理なんてメンドクサイ物だったと想像できます。

しかし物が豊富となった現在ジャガイモはフランス庶民の味方、むしろ世界の味方フランスは世界で有数のジャガイモ生産・消費国家となっています。本作ではこの英雄食材ジャガイモによって不幸になった料理人が描かれますが、もちろんこのまま黙って落ちぶれていくような作品ではありませんでした。

「パンが無いならブリオッシュを食べればいいじゃない」

1782年にルソーが出版した”告白”に登場したこの台詞。まさにそんな時代真っただ中の激しい階級格差が観られます。不満が募る庶民を横目に、料理人マンスロンは貴族シャンフォールに感謝と尊敬の念を忘れません。しかし足蹴にされたような態度と振舞、そして何よりルイーズの存在が彼に復讐を意識させるのでした。

血生臭い時代ではありますが、マンスロンの復讐は正攻法ですのでご心配なく。食事が貴族の娯楽から庶民の楽しみへと変化し、そして”レストラン”の元が出来ていく様が素敵。時代背景と共に、目にも美味しい絶品料理の数々が楽しめます。”自分の生きる場所は自分で作る”そんな想いを感じさせてくれました。

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