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少女は”何のために”巨人に立ち向かうのか「バーバラと心の巨人」

バーバラと心の巨人 ☆映画あらすじと感想
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3.0 奇行に見える善行

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\サブスク引き籠り応援団です/

巨人に備える?

森の中で木に赤い印を付けている少女バーバラ。彼女は他にも柱に登り”餌”のような物を設置したり、放置されている電車にペイントするという不思議な行動を取っています。ある日バーバラが海辺で”調査”をしているとソフィアと名乗る少女が声を掛けてきます。最近引っ越してきて友達になりたいと話しかけるのですが、バーバラはそれどころではない様子で立ち去ってしまいました。

日が変わりバーバラは学校に着くなり”印の数”を確認し始めます。行動が気になった教師モルはバーバラを呼び出し会話を試みます。しかし「その可愛いポーチに書かれているコベルスキーって何?」と質問するとバーバラは「1ストライク」と突然立腹し教室を出ます。学校で孤立していますが、ソフィアだけは避けませんでした。そしてバーバラは心を開き「町を守る為、巨人を見つけて殺すの。」と奇行の理由を話し始めるのでした。

巨人はバーバラにしか見えない

ウサギの耳を付けルーン文字を縫い付けたポーチを装備。肉眼では見えない物が見える小型望遠鏡で周囲を警戒しているバーバラ。入念なチェックを繰り返すのもそのはず、彼女が警戒している相手は神話の魔物”巨人”なのです。しかしこの巨人はバーバラ以外には気配すら確認できない存在でした。

彼女は守る為に日々を費やしており、そのせいで周囲からは”変人”扱いされます。確かに本当に巨人が存在すると信じている少女はヤバイ子に見えます。しかし見逃してはいけない事は、バーバラは”本気で巨人に備えている”のです。苦難を浴びせられても立ち向かう彼女は”異常”なのでしょうか?

誰もが抱えている”不安”と”恐怖”

台風・津波・地震等の大型災害は”巨人”の所業と捉えるのは世界共通なようで、本作でもそういった類に匂わせてきます。巨人というのは恐怖や不安を煽るもので、バーバラは1人でこの巨人に立ち向かいます。誰も不安にさせないように、そして恐怖を自分1人で抱えるように。しかしバーバラが本当に守りたかったモノは町ではありません。そこに思春期を迎えた子供達の本音・本質がありました。

本作はバトル物ではありませんでした。ポスターではウサミミでハンマーを持ち巨人の眼前に立っていますが、バーバラはもっとあどけない少女です。序盤では行き過ぎた中二病に見えてしまうのですが、具現化されると”大人になって本当に巨人と戦うのか!?”とも感じさせてきます。この辺りのバランスは秀逸。少女バーバラの戦いの結末と、守りたかったモノを守れたのか、についてはやっぱり本編で。

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