設定が素晴らしい!設定が!・・・
25歳から歳を取らない
科学の進歩によって全人類の成長が25歳で止まります。それは人口が減らない事を意味してします。そして人口抑制のため寿命が設定されました。25歳になると体に埋め込まれた装置が作動し、残りの寿命が秒・分・時間・年単位でカウントダウンされ始めます。それは腕に電子文字として見る事が出来、カウント0になれば死んでしまいます。この装置の結果、お金は意味を持たず”残り寿命”を使って物の売買を行う世界になっていました。
富裕層から見れば”永遠の命”ですが、貧困層から見れば”いつ死ぬかも知れない”状態。貧困スラム街で暮らすウィルも母親と共に、”明日の寿命”のため身を粉にして働いています。そんなウィルはバーで富裕層からきた男ハミルトンというと出会います。しかし100年を超える寿命を持つこの男は当然その寿命を暴漢に狙われます。正義感の強いウィルはハミルトンを助けるのですが・・・
”お金の概念”=”残り寿命”
ウィルがコーヒー1杯飲む料命(料金)が2分です。先日まで1分だったのですが、物価の高騰が続いており、特に貧困層では苦しいものでした。仕事のノルマが上り薄給となる上に、タクシーで2時間かかる場所へ向かうのに、料命が2時間というとんでもない世界。そこにはやはり”格差社会”の問題がありました。
何を言っても設定が上手い作品で物々等価交換な世界と考えれば、命もお金も似たようなもんです。残り寿命を100年以上持つ富裕層が、毎日24時間の確保がギリギリな貧困層から更に時間を搾取しています。結局寿命を集めれる一族は誰も死なず、貧困層の人間ばかりがバタバタと倒れていくのは至極当然でした。
寿命(給与)の支払い
時間取締官という警察は”今日の支給時間”をもらって働いています。労働時間帯には支給時間がありますが、時間が短いため恐らく”月給”ももらっているでしょう。しかし問題はウィルのような日雇い・パート労働者でした。2つ掛け持ちしても24時間は大命みたいで、「安心して1日寝てみたい。」と話す姿が印象的でした。
お金がないとジワジワ苦しい。寿命性になる一瞬で死ねる。どちらが良いか、ではなく結局格差は回避できません。格差社会をテーマにひねりの効いたアイデアが秀逸。いつか良い事がある日まで寿命を延ばし続けるウィルたちの生活は、真に迫った時間稼ぎの毎日でした。
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