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”誰のため”に存在する刑法なのか「39 刑法第39条」

刑法第39条 ☆映画あらすじと感想
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3.4 自身の周囲で起こったら・・・

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\サブスク引き籠り応援団です/

心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セス

とある集合住宅で畑田修・恵の若い夫婦が刺殺されるという殺人事件が起きます。事件担当となった名越・中村刑事は現場に落ちていた一人芝居のチケットから、”柴田真樹”を容疑者として逮捕します。取り調べでは「多分自分がやりました」と話しており、「死刑にしてほしい」と言い出します。しかし国選弁護人の長村は「死刑は人間のするべきものではない」と主張し柴田を励ましていました。

公判が始まり犯行の原因といきさつが明らかになります。柴田がバイトしていた居酒屋でのいさかいが原因自宅まで尾行し侵入、争いになって2人とも刺し殺したという。裁判官に内容について聞かれると柴田の顔つきが変わり、まくしたてるかの如く訳のわかない事を言い放ちます。その姿をみて長村は司法精神鑑定請求を行い、「心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セス」「心神耗弱者ノ行為ハ其刑ヲ減刑ス」という刑法第39条条文にあたると主張するのでした。

納得できない!

ざっくり説明”行為者に責任能力がない場合には違反行為をしても非難できず、責任能力がないから犯罪と扱わない”というのが刑法第39条です。ここでいう責任能力とは”違法と認識する・認識した際に思いとどまる力”という内容でした。これは該当者を守るという意味ではなく医療や環境の変化(精神病院入院みたいな)で改善され、きちんと責任能力を身に着けて社会復帰し罪を償って生きていくため、という意味合い(自己解釈です)です。

人権尊重が為の刑法ではありますが、とらえ方によっては”野生動物よりも動物的な扱い”に感じました。野生動物は人に危害を加えれば”責任を取らされて処分”されます。しかし39条該当者は被害者親族から見れば「責任取らずに赦されて生きていける」のです。社会復帰して責任を取っていくと言っても”被害にあって公判等で時間・資産・精神的負担を強いられただけ”に見えてしまい、中々納得できるものではありません。

考える”きっかけ”には良作

つつきにくい題材をしっかり丁寧に扱ってくれています。複数殺人の犯人によく取り上げられる心神喪失。実際に法廷でこんな犯人の姿を目にすれば、被害者親族の立場であれば激昂間違いありません。誰のためにある刑法なのか考えさせられ、とても重く後味も悪い(考えるには良い)邦画でした。

色々と暗いシーンの目立つ怪作でしたが、俳優陣は流石のメンツ。凛とした印象の鈴木京香は華があり、唯一光が見える存在でした。そして犯人柴田役・堤真一は見事な多重人格者(映画ね)。”演技かどうかわからない複数人格”が見事で、異常者に見せつつも計算された芝居にも感じさせるという困難な役を演じきっています。俳優陣の活躍に感心し、そして刑法にも疑問を持つことができる39”はメッセージ性が抜群に強い映画でした。

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