チープでシュールで名作で
あの日あの時
とある結婚式場で余興の打ち合わせをしているのは穏やかで優しい吉尾、劇団経営者の欽一、役者である明石、ねじ工場で働いているネジ、新婚のソース、後輩の大成という高校時代からの友人6名。5年ぶりに顔を合わしますが、集まると昔に戻ったようにじゃれ合い、打ち合わせをさておいてカラオケに向かいます。
すでにアラサーとなった6名はカラオケで盛り上がりすぎて疲れてしまいます。そして今日は解散と、締めの挨拶をする吉尾は皆が避けていた話題に触れます。「俺ってさあ、ほら5年前、皆分かってるよね?死んでるんだけど・・・」そして他5人は「うん、はいはい、じゃあ、またね。」と解散しました。これって何かの冗談なの?
チープでシュールで寂しくて
凄くシュールで、よくわからないボヤッとした世界観です。常にテンションが高いメンバーにも”なんだかなあ・・・”と見ていたのですが、いきなりの謎発言から動きます。しかし急展開ではなくモヤっと動き、はっきりした話が出てこない。全てグダグダなのですが、泣かされてしまった・・・
死んだはずの吉尾が普通に居て、それを受け入れている周囲。そして5人と良尾の個別エピソードが始まりますが、吉尾はここにいるんですよね。アホみたいにはしゃいでて、高校時代そのまま一緒なんです。線香供えたのに今アホしているんです。理由はよくわからないのですが、この生死すらボンヤリした進行に泣きました、むしろ”えづき”ました。
はっきりしなくていい
暮れなずむとは、日が暮れそうで暮れない夕焼けの時間。はっきりしない時間帯です。取り戻したい瞬間があったり、でも今にそこそこ満足してたり。そういうグラグラした感情を現わしています。何かを受け入れる時に、白黒はっきりさせなくても良いんです。極論で言えば吉尾が死んでるかどうかではなく、どう受け入れるのか、という”踏ん切り”の付け方が大事なのです。
高校から仲の良い友人がいました。この作品を教えてくれたのもその友人でした。思えばあいつもふざけてる男だけど、真剣な顔もあったな・・・と思い出しました。しかしこういった出来事は受け入れる事が中々できず、本作を通じて思い出し泣きしたのかも知れません。こうやって書いているうちに大事な事を思い出しましたよ・・・”そういえばあいつ、まだ生きてるや”ってね。
\サブスク引き籠り応援団です/
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