ゴミと宝物は考え方次第
ノルウェーのトロール伝説
19世紀半ばのノルウェーでは、「王女が18歳になるまでに結婚しないとトロールに攫われてしまう」という伝承があります。しかし現在の王女キリステンは結婚に全く興味がありません。王子フレデリクと婚姻させられそうになったキリステンは王宮から逃げ出してしまいました。
森の中に姿を隠したキリステンは、能天気な青年エスペンと出会います。お互いに意気投合したのですが、逃亡のみであるキリステンは名前も告げずに去っていきます。しかし逃げた先にで伝承通りのトロールに攫われてしまいます。エスペンは助けにむかうのですが、一つ問題があります。それはエスペンがポンコツということでした。
ガラクタは宝物
か弱い主人公のエスペンは3人兄弟の末っ子。仕事場でも「今日は働く気がしないんだ。」と普通に言い放つ甘えん坊気質で、キリステンを助けに行く時も度重なる失敗に呆れた父親に追い出されたようなものです。トボトボと歩きながら兄2人に「来いよ。」と声をかけられる”どうにもならない”男でした。
このエスペン、道行くごとに「良いもの見つけた。」とガラクタを拾います。手鏡や鉄兜、何故だか毛玉まで拾っていきます。勿論あとで役に立つのですが、再々「良い物見つけた。」と口にしており、サブリミナル効果といいますか最後まで頭に残るフレーズとなります。
ハラハラドキドキファンタジー
王国・村・店・森・洞窟・草原、そして剣に魔法や魔女に怪物とファンタジー要素満載。黄金の林檎とか何かが起きそうなシーンでは、何が起こるか予想はつきますが、それでもハラハラの展開でした。特にエスペンは戦えない上にポンコツなので、拾ったアイテムを使う時も何か起こりそうでドキドキします。
ポンコツ男から勇者になるまでという設定は好みです。ハード過ぎない映像と冒険譚らしいアクシデントを乗り越え、少しずつ成長していく姿に”判官びいき”と言いますか、何だか応援してしまいました。北欧ではトロール伝承が多く、映画ではこういった凝った姿を魅せてくれます。作品ごとの”トロール比較”なんていうのも面白そうです。
コメント も、文句以外で・・・