穏やかな社会なんて存在しない
過疎に向かう島の希望「黒イチジク」
島民全員が知り合いという猪狩島は年々過疎化が進んでいます。しかし今、泉圭太が始めた新産業”黒イチジク”の栽培が脚光を浴び、島民の期待が集まっていました。親友である田辺純も積極的に手伝い順風な日々。しかし無人販売所で出会った不審な男がきっかけで崩れていきます。
この不審な男、元受刑者で世話役に勧められて黒イチジクの栽培を手伝う為訪れています。しかし世話役を殺し島をウロウロすることに。圭太は友人で警察官の真一郎からこの男の話を聞きます。そして行方不明になった娘を心配し探していると、ビニールハウスに奴の姿が。圭太・純・真一郎の3人は不審な男を事故とはいえ殺害してしまうのでした。
島のために!
圭太はこの出来事で「もう終わりだ。俺も、島も。」と絶望しています。そして純は「正当防衛だろ。」と言いますが、胸中穏やかではなく島の将来に不安を覚えました。そして出てきたフレーズが”島のために”という言葉。耳障りが良いこの音に酔っていく2人でした。
また、「怪我しても出血が酷くならないように”かさぶた”になるべし」と先輩から教わった真一郎。この島で警察官としての役目をこの言葉に詰め込んでいた言葉です。この言葉が胸に沁みた真一郎ですが、今回の出来事に対しては雑音として耳に残ってしまいました。
ノイズキャンセルしようとした
不審な男の出現はまさに邪魔(ノイズ)でした。注目を浴びる今、異常犯罪者の来訪は観光客や移住者を遠ざけます。そんな思惑とは違う所で解決した騒動ですが、ここから新たなノイズが露出していきます。未来と過去のノイズが入り混じり、それはとうとう誰の手にも負えない大音量となってしまう・・・ちょっと胸が苦しい展開。
何の気なく過ごす日常ですが、こういう作品を観ると考えます。”誰かに嫌な思いをさせていないか”、しかしこれを思い返したところで修正はしていません。そんなもんだと思っているからです。一言一言にまで気を付けれないのが正直な所です。人は生きているだけでも誰かの邪魔になっているのかも知れません。悲しいなあ・・・
\サブスク引き籠り応援団です/
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