止め時がわからず一気見・・・
幼馴染の死と”影”の伝承
7月22日、網代慎平は故郷である和歌山日都ヶ島に帰ります。それは単なる帰郷ではなく、幼馴染の小舟潮の葬儀に出席するためでした。潮は少女を助けるため海に飛び込み、そのまま死んでしまったという話でした。しかしその夜友人の菱型窓から「首には絞められた跡があり他殺かもしれない。」と知らされ胸騒ぎを覚えます。そして更に翌日には助けられた少女しおりちゃんの一家が失踪するのでした。
続く異変に潮の妹澪も不安になり、慎平に「もう一人のお姉ちゃんを見たの。」と打ち明けました。そこに通りかかった老人から島に伝わる”影の病”の話を聞き、慎平と澪は事の真相を追い始めます。そしてとうとう”もう一人の澪”に接触。しかし2人共なす術なく殺されてしまいます。そして死んだはずの網代慎平は7月22日のフェリーで目覚めます。そして”前回の記憶を持ったまま”7月22日から繰り返すのでした。
がっつりSFでバトルありでした
基本的に前情報を入れずにあらすじだけで見るスタイルの僕。パッケージの雰囲気からSF・サスペンスかと思いきや、思惑バトル物で驚きました。序盤からホラー・サスペンス・SF要素は感じていたのですが、てっきり慎平が知恵で少しずつ解決していく物語で、「涼宮ハルヒ エンドレスエイト」を思い浮かべていたので、想定外の異能バトルに呆気に取られてしまいました。
しかし単なる異能バトルでドンドンバン!!ではありません。この作品には驚くべき”伏線”が多数散らばっています。タイムリープなので、〇週目の出来事は後半に活きてきます。その”回収方法”が秀逸。バトル物ならそんなに・・・と思ったのですが、複雑・ミスリードの連続に止め時がわからず最後まで観て、何度も泣いてしまいました。ネタバレ考察したいアニメ上位ですね!
繰り返す痛みは散り積もっていく
慎平は”自分が死ぬこと”を条件にループします。1週目では澪が殺される様子を見ながら殺されます。他者の死を目の前に”次は変えてやる”と意気込めば、そこに待っているのは”別の誰かの死”でした。真相が明らかになる過程で、変えられない結末に絶望する慎平が乗り越えなければいけないのは時間ではなく、”潮との本当の別れ”です。そんな思いをくみ取ると泣けました。
結末は見てのお楽しみですが、本当にのめり込めるアニメでした。細かい設定と見事な伏線回収で驚かせ楽しませて頂いたので評価は☆5でいいのです・・・いいのですが、最後に澪は報われたのか、そこがはっきり描写して欲しかった・・・。いや、報われてるとわかってはいるのですが、はっきりと・・・そこだけ・・・。潮のキャラがとても好感がもて、登場する爺さんや小説家のキャラも好み。ストーリー・キャラクター共に大満足のアニメでした。
コメント も、文句以外で・・・