将来なんて漠然としたものですよ
あなたに恋がしたい!
不登校で不眠症な中学2年生夜守コウは、この日も眠れずにボンヤリしていました。外もすっかり暗くなった深夜、コウは親の目を盗んで外へ出てみます。いつも見慣れた平凡な道なのに、何故か何処かが違う世界。そしてコウは夜の魅力に惹かれ、一人探検を楽しみます。
そんなコウの前に突如現れたのは七草ナズナという美女。「眠れないんだろ。」とコウを自宅へ誘い、そして布団へ誘います。するとコウは不思議と眠くなりウトウト。眠った事を確認したナズナが首筋に噛みつき血を吸ってきます。寝たふりをしていたコウは、吸血鬼の存在にびっくりしながらも憧れます。そして「吸血鬼になりたい。」と話すと、ナズナは「吸血鬼に恋をした状態で血を吸われたら眷属になれるよ。」と。こうしてコウはナズナに恋する事を決意するのでした。
ちょっとエロいけど純粋
七草ナズナは吸血鬼なのでコウの血を吸います。この行為は”食欲”と共に”性欲”も満たされる、ナズナ曰くの”食事とまぐわいが同時に出来る”のです。コウも吸血時に何か感じているようで、痛みや恐怖で拒否する、という事は一切ありません。今までも吸血して生きてきたナズナは、ちょっとエロくてコウを性的に、露骨に魅了していきます。
吸血鬼だからこその感覚なのか、下ネタは普通に話します。照れる事もなく普通に話すのですが、何故だか”恋”というジャンルに敏感に反応し赤面します。下ネタは平気で恋愛はダメというギャップに、面白さと可愛さを感じるのは古えからの男のサガ。そんなナズナの可愛さにニヤニヤしながら観ていると、ふと何かを思い出した気がします。
静けさ、灯り、自分の世界
夜中の外出は”中二あるある”ですね。街灯や飲み屋の灯りが照らす、昼間とは全く違う場所。車道を歩いてみたり、知り合いに会わないかドキドキしたり、調子に乗ったら歌ってみたり。闇に包まれた静寂の夜は、中学生だった僕らにとって別世界でした。・・・今でもそうですかね?夜のドキドキ・ワクワクは変わりないものかな?
”よる”を楽しそうに魅せる本作。”よふかし”は悪い事で背徳感があるはずなのですが、本作を観ると”悪い世界”に見えません。みんな昼間と同じく悩みを抱え、そして”何かを探して”いました。そんな”よふかし組”が遊んで、助けて、時に傷ついてと健全で不健康な青春を謳歌します。よるに起きててもいいんだよ、そういう言葉も子供にも大人にも必要なんですよ。
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