この設定に”なるほど”を感じる
クリスマスに間に合うか!?
サンタクロースが大忙しとなるクリスマス前。しかし実際に大変なのはプレゼントの準備を行うエルフ達でした。予定を変えるサンタに振り回され9万2000人を束ねるエルフリーダー、マグヌスは無理がたたって倒れてしまいます。エルフは一人倒れると全員が倒れてしまうためプレゼント工場は大ごとになってしまいました。
サンタは特効薬”ビタミン”を入手すべく人間界に向かいます。しかしサンタは人間嫌いでクリスマス以外で人間界へ来ることはありません。人間界の常識に疎く、不審な行動・言動に逮捕されます。弁護士トマの助け・・・も必要とせず普通に特殊能力で檻から出ます。そして知り合ったトマの自宅に空飛ぶトナカイを呼び、一家を巻き込んで”ビタミン”探しを再開するのでした。
夢と現実を比較した風刺
プレゼント工場は夢があり、とても楽しそうな現場です。人間界もクリスマス前の陽気な雰囲気に街が賑わっていました。そして優しいイメージのサンタクロース・・・なはずですが、ここから”夢の世界の話だよ”と現実とのギャップを知らしめてきました。
工場ですが実際はブラック現場。考え無しに予定を変えるサンタのせいで、マグヌスは寝る間を惜しんで働き詰めます。当のサンタは横柄で老害。トマ夫婦が手伝ってくれるのですが、サンタの横柄・横暴に結局マグヌス同様疲弊していくことに。現代の忙しさがよく伝わってきます。しかしこのサンタクロースは”人間界を知らない”だけなのです。
寝顔しか知らないサンタクロース
サンタが言うのには「子供は静かで大人しいもの。」しかしこれ、サンタは”子供が寝た後にプレゼントする”為、起きている姿を知らないのです。また、姿も見せず誰とも関わらないので大人の事も知りません。お金の概念もなく逮捕も知りません。更に服装ですが、森の妖精サンタは元々緑服。コカ・コーラの宣伝によって人間界で”赤”のイメージが付いていますが、当然サンタは知りません。
人間の想像とサンタの現実というギャップが微笑ましコメディ。テンポ良く進むドタバタの合間に、サンタならではの”トマが子供の頃何を欲しがっていたのか知っている”なんていうエピソードも出てきます。人間嫌いと思い込んでいたサンタは、今回の冒険でちょっと人間らしくなります。そして気になるビタミンの入手と働き方改革はどうなるのか!?クリスマスらしいオチに安心の作品です。
コメント も、文句以外で・・・