逞しく育つのは環境次第
アルプスの少年ウルスリ
アルプスの山奥にある小さな村で暮らしている少年ウルスリ。貧しいながらも元気に明るい彼の一家は、酪農をしており特に”チーズ”が一番の収入源になっています。ウルスリの友人セレイナも同じような境遇。家族同士の交流もあり仲良しな2人は、大自然と動物に囲まれたこの村で楽しく暮らしています。
アルプスの厳しい冬が訪れるため、動物やチーズを山から降ろし村の家へと移動させます。しかしその途中、馬車が山道から脱輪。ほぼ全ての収穫・加工物が崖下へ落ちてしまいます。落ち込むウルスリ家をよそに、崖下の川で釣りをしていた村一番裕福で不親切なローマン家は”チーズが流れてきた”と、タダで手に入った事に大喜びでした。このチーズが原因で村で一騒動起こるとは、現段階では誰にも知る由はありません。
お祭りとカウベル(すず)そして大人
この村では毎年3月に”お祭り”が行われています。それは春の訪れを迎えるための行事で、子供達が牛の首に着ける”カウベル”と呼ばれる鈴を鳴らしながら村を練り歩くという内容。男の子たちは大きなカウベルを希望しており、この年はウルスリが一番大きなカウベルを手にするはずでした。
しかしやっぱり”大人の介入”が起こります。アルプスの大自然とか関係なく、人間は年とると利己主義に陥っていくものです。なんて思って観ていましたが、この作品に登場する子供達は本当に子供らしかった!大人の利己主義?関係なく子供達は我が儘で自由で、とんでもない迷惑をかける。そう、アルプスの子供は最高に利己主義に育っています。
”今”しかない子供の特権
口が達者で調子が良く、親を困らせたり心配させたり。子供同士の社会でもイザコザを起こしていく彼らを見て”子供らしい(笑)”と感じました。抑えつけられていない、この時にしかない感情と想いでやりたい事をやる。そんな姿に我々は励まされたり、時には教えられたりするんです。こんな環境、日本に残っていますか?
当ブログのトップページにある雪景色は僕の田舎。山の上で車で1時間登らないといけない場所。昔は祖父母が米を作っていました。手伝わされて文句を言うくせに、人一倍飯を食べたのは良い思い出。今では田んぼは無くなり、人家も見えない。ちょっとおセンチな気分にひたれる、童心を思い出させてくれる、そんな作品でした。
コメント も、文句以外で・・・