酒が怖くなりました・・・
人生に疲れた男たち
高校で世界の歴史を教えているマーティン。愛する妻アニカと息子2人に恵まれていますが、最近ではすれ違い隔たりができてしまい会話もありません。当然仕事面でも影響が出ており、教えている最中に話がそれたり、間違った答えを出したりと生徒・家族から苦情が出ていました。
そんなマーティンの心の拠り所は仲の良い同僚たちです。バカな会話で盛り上がっていますが、突如マーティンは涙します。日常に疲れたと話すと、みんな一緒さと慰められ酒の勢いで暗い気分を吹き飛ばします。そこから自分改善のため4人が取り組みだしたのが「人間は血中アルコール濃度0,05%であることが理想的な状態である」という学説。少しテンションが上がり、気分も明るくジョークも炸裂。幸先良く実験が始まりました。
デンマークならではの設定が目新しい
この血中アルコール濃度0,05%とは、体重60㎏の人だと度数5%350mlビール1缶ぐらいです。この数値が「爽快期」で一番気分の良い状態であり、この状態を常に保つという実験。僕自身が酒が弱いため、朝一番でアルコール入れて生活とか恐怖しかありません(しかも皆教員ですよ・・・)。ちなみに0,1%が数日続くとアルコール中毒になり得るとか。
登場人物の飲みっぷりが良い作品で、飲酒は保護者が許可していれば年齢は問わないというデンマークの大らかな体制が背景にあります。これは国自体が「家族・自己責任」を徹底しており、自分たちの生活は自分で決めなさいという姿勢が感じられます。そんなデンマークは世界の幸福度ランキング上位のツワモノです。デンマーク生まれのマッツ・ミケルセンも実際にかなり飲むんでしょうなあ・・・
酒は飲んだら呑まれるよ?
人生に疲れたおじさん達が、アルコール濃度の研究を言い訳に飲みまくってしまう映画です。悪い面も大きく出てきますが、しかし疲れてしまった人生でも、こんな風に歌って踊って笑える瞬間があるのなら酒もわるくないなあ、と思えてしまう作品。といっても、万病の元なのか百薬の長なのかは個人次第なので要注意です。
兎にも角にも「仲間と飲む酒は上手い」な作品。題和訳は「もう一杯」で、この作品を良く表しており、気軽に飲んでしまった感がうまく出ています。気分揚々な劇場宣伝として披露されたのはマッツ・ミケルセンのダンス映像。55歳という年齢を感じさせない動きに感服しました。
⇑ 酒の誤ちと男の友情
コメント も、文句以外で・・・