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”逃げ出す”のではなく、”アピール”した「メイズ 大脱走」

メイズ 大脱走 ☆映画あらすじと感想
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3.0 ハンガー(2014)を観ないとわからないかも

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\サブスク引き籠り応援団です/

ハンガー・ストライキの傷跡

1981年北アイルランドのメイズ刑務所内でハンガー・ストライキが勃発。IRAの犯罪者達が”政治囚として扱え”と主張しているのでした。そして真っ裸で毛布”ブランケット・プロテスト”運動や排せつ壁塗り等、抗議行動と5つの要求を出しています。そして看守との衝突や餓死等で10名の犠牲者が出る大きな出来事となります。

5つの要求が通ったものの、紛争と今回で仲間を失った悲しみを負ったままラリーはH2棟へ移送されました。そこではIRAを敵視するロイヤリスト達がラリーに野次を飛ばし待ち構えていました。看守と敵対勢力に囲まれる中、ラリー達IRA幹部は脱獄を計画します。それは自分の居場所も施設の形もわかない彼らにとって、全て手探りで無謀なものに見えました。

観る前に知っておきたいハンガー・ストライキ

本作は実話であり、事件も本当に起こった出来事です。しかし馴染みのない世界なので、少し前情報をば。当時(1960年から)は北アイルランド紛争に政府は悩まされていました。そして紛争解決の手段として英国とIRAで交渉し、北アイルランド紛争における活動に関して逮捕・有罪となった物は”特別優遇”が認められました。

しかしメイズ刑務所に”Hブロック”と呼ばれる鉄壁の棟ができると、この特別優遇は徐々に廃止されていくことになります。そしてとうとう優遇不適用となり、囚人服を着せられる事になった事から「裸に毛布の方がまだましだ!」と”ブランケット・プロテクト”という真っ裸に毛布という運動が起こったのです。そして看守との衝突が激しくなり、犠牲者が出た・・・というのが本作前の出来事です。

※特別優遇(本作の5つの要求とほぼ同じ内容)

・囚人服の着用必要なし

・刑務所労務の必要なし

・同組織収監者との交流が可能

・刑務所外からの訪問が可能

・食べ物・小包の差し入れ可

等、戦争捕虜と同様に扱うといった内容。

訴えるのは”戦う意思”

IRA幹部が目論んだ脱走ですが、そこにあるのは”仲間達”と”紛争”への想いでした。成功することで自由を手にする、というのは”おまけ”であり、彼らの行動は”紛争を忘れるな。政治が間違えばまた起こす(る)んだぞ!”というアピール(警鐘)なのです。

大脱走の副題に期待して視聴。実話ということもあり、リアル過ぎて盛り上がりはありませんヒューマン志向が強く、看守も弱る時があり囚人も人であるという進行。しかしこの警鐘については知っておく価値があります。実話・映画関係なく、こういった想いがる、という事を理解する事が紛争解決の1歩となるのではないでしょうか。

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