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”勲章”は誰のため「ラスト・フル・メジャー 英雄の真実」

ラスト・フル・メジャー ☆映画あらすじと感想
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3.7 せめて勲章を!

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\サブスク引き籠り応援団です/

ベトナム戦争の英雄

1999年ペンタゴンのピーターズ長官の辞任に伴って行われる人事異動。その直前、官僚ハフマンはとある兵士の名誉勲章授与にまつわる調査を行う事になりました。その兵士の名前はピッツェンバーガーといい、空軍落下傘救助隊として負傷兵たちを救出し、そして戦死した英雄です。そして30年以上もの間、名誉勲章を請願され続けてきた人物でした。

ハフマンは乗り気ではありませんが、人事異動が行われるまでの仕事と割り切って調査を開始します。しかし調査をすればするほど人柄と功績に文句のつけようがなくなり、ハフマン自身もいつしか”名誉勲章に値する人間”と結論を出します。しかしこのピッツェンバーガーの名誉勲章授与が認められないのには政治的な理由があったのです。

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ベトナム戦争の名残

1950年代から1970年代中盤まで続いた”ベトナム戦争”北・南に分かれたベトナムの内紛収めようと立ち上がったアメリカですが、結果的にはアメリカ国内で世論を二分させてしまいました。当時関わった上官達もその後の人生が大きく変わっています。「ペンタゴン・ペーパーズ」と同様に本作も”実話が基”で”ベトナム戦争”に関する政治的な関与が存在しました。

落下傘救助部隊として激戦地に降り立ち、負傷兵の手当をしてはヘリに乗せ、そしてそのまま歩兵団に加わり戦死したピッツェンバーガー空軍で救助部隊なら地上戦参加はあり得ないのですが、強い責任感と正義感に駆られたピッツェンバーガーは自ら前線に出ています。そんな男に名誉勲章が与えれないはずがありません。こんな時って映画でも現実でも、”やっぱり政治的”な何かなんですよね

多くの悲劇の果てに

そもそもベトナム戦争は情報大混乱な紛争で、世論二分と言っても”真実”が表に出ない戦争になっていました。常に”アメリカが優勢”と国民に公表しながらも、”兵力が足りていない”という内部報告書が存在するような隠蔽がありました。本作もそんな”歴史に埋もれた真実”が明らかになる作品となっていました。

戦争によって重度のPTSDを患った退役軍人達。自身の判断と命令に疑問と呵責を感じる元上官。そしてピッツェンバーガーの行動が報われない家族の悲しみ。”勲章”という物で解決するわけではありませんが、やはり誠実に向き合い正しい判断が行われれば、全員30年以上背負ってきた荷物が軽くなるのではないでしょうか。心震えるラストシーンに思わずスタンディングオベーションしてしまう作品です。

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