ドタバタからのホラー展開に釘付け
半地下から地上へ
韓国のとある貧困地域。ここで半地下にあるアパートに住むキム一家はギテク・妻チュンスク・息子ギウ・娘ギジョンの4人ともが定職に就いていません。宅配ピザの箱を組む内職で日々を繋いでいます。そんなある日、ギウは友人から「俺が外国へ行っている間だけ、女子高生ダへに家庭教師として英語を教えて欲しい。」と相談を受けます。かなりの高額給与だったため引き受ける事にしました。
訪れたダへの家族、パク家は富裕層。その暮らしに目を付けたギウは11歳になる息子ダソンの家庭教師にギジョン、大黒柱であるドンイクの運転手にギソク、そして現家政婦を追い出しチュンスクを迎え入れ、家族全員がパク家で働くようになります。順風な生活に満足しているキム一家ですが、ある日追い出された元家政婦の訪問から想像もしてなかった事態に陥るのでした。
序盤のコメディタッチに油断してはいけない
最初は小汚い家庭で冴えない親父がボーっとしている日常閑話に観えました。貧しくても逞しく、ほのぼのと小さな楽しみ・笑いがある家族の物語だと思っていました。この序盤で知らぬ間に”根は良い人たち”と感情移入させられます。
実際に寄生が始まっても、家族であることがバレないようにドタバタするコメディ作品。しかしいつしか深い闇にのまれ、サスペンス・スリラーへと変化します。温和な表情と性格のギソクは寄生しても変わらないなあ、そう思っていたのですが・・・まさかあんな理由で・・・
”半地下”で象徴した貧困問題
建築物という物質的な物の高低差で貧富を表現しています。雨が降ると水が流れ入って来るキム家と、地上で余裕のある敷地にマイホームのパク家の貧富の差は文字通りの一目瞭然でした。使う階段が昇りなのか下りなのか、そんな事で人生が分かれると感じさせる描写は、完璧に格差社会を現わしていました。
エグミを感じる作品で、実際に”ありそう”でした。”英語ができる”それだけで家庭教師として高額で重宝されるのも”アジア圏”であることを痛感させます。そしてもう一つ貧困を表現するのに必要なのは臭いでした。沁みついた臭いは取れません。それは身体にも心にも沁みついた臭いですから。しかしこのキム一家は人当たり良く賢い。それでも就職できないというのも”貧困層の悩み”なのかな。
コメント も、文句以外で・・・