クーパーは筋肉です
戦場のように激しい厨房
アダム・ジョーンズはパリのレストランで腕を振るう天才肌の二つ星料理人。腕は確かなのですが、異常なまでの完璧主義者でドラッグとアルコールの依存症。問題行動が多く、店も仲間も失います。しかし3年経ったある日、友人トニーに無理やり協力させ新店オープンへこぎつけ新たに三つ星を狙います。
しかし集まったメンバーは刑務所帰りに昔の同僚、新人にシングルマザーの料理人と完全な寄せ集め。そしてアダムの過剰な完璧主義も健在で、気に入らない料理が出たら皿を投げ叩きつけます。さらに厨房でも怒り狂いスタッフを怒鳴り散らかします。まかないには興味なく、自身の創作料理に没頭します。そんな折にミシェラン審査員と思わしき客が来店します。最高の一皿を提供しますが、あえなく惨敗。理由はスタッフによる裏切り行為にあり、アダムは失意と共に益々荒れ始めるのでした。

アダムが目指す三つ星とは
レストランやホテルガイド等で見られる”ミシュランガイド”に表記される星は、”ミシュラン”という会社が行っている”評価をするサービス”で最高は3つ星で、レストランやホテル以外でも道路地図や旅行ガイド、ガソリンスタンドと様々な評価を行っています。
アダムが目指すのはレストランの三つ星。各評価については
一つ星=その分野(イタリアン・和風・フレンチ等)で特に美味しい料理
二つ星=遠方であっても訪れる価値がある料理
三つ星=この為だけに赴く価値のある最高の料理
アダムは現在二つ星の料理人。”何が”足りないから三つ星になれないのかが今作の大きなテーマとなっています。
三つ星は”美味しい料理”だけでは届かない
アダムは荒れますが大切なモノに気付いていきます。交際しているエレーヌの支え、愚直に自分の料理を信じてくれる新人トニー。そんな面々が少しずつアダムを変え、いつの間にかスタッフとまかないを食べ、笑い、研鑚する、この姿こそがアダムの三つ星だと感じました。
アダム(ブラッドリー・クーパー)は料理人ですがマッチョです。マッチしョが戦争映画と同じテンションで怒鳴りまくる姿に”厨房で働きたくないな”と感じてしまいました。しかし筋肉に覆われているのは見た目だけで、アダムは何度も傷ついていて、”マッチョ料理人って意外と繊細”という事が知れます(筋肉関係ないか)。王道ストーリーに色彩鮮やかな料理が目にも良い作品でした。

⇑ クーパーさんは割とB級さくひんにも出ています

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