キャスティングが好み・・・
悪党の映画脚本
ロンドンの真昼間、とあるパブに入店した紳士ミッキー・ピアソン。ビールと軽食を注文し、ロックを流しながら妻をデートに誘うべく電話をかけます。しかしその背後ではミッキーに狙いをつけ銃を構えた男の姿が・・・そして店内に銃声が響き、ビールグラスは赤く染まってしまいます。
ミッキーの部下であるレイが帰宅すると、リビングに何やら人の気配が。私立探偵を名乗るフレッチャーというこの男、ミッキーとレイによる数々の犯罪の証拠を持っていると話します。そして証拠を元に作った映画の脚本を差し出し「公になれば組織は壊滅。2000万ポンドで全て引き渡そう」とゆすり、そして脚本の内容を詳しく語り出すのでした。
この豪華絢爛キャスティングで下品・下劣ワード満載
キャストがやばい!ミッキー・ピアソンはマシュー・マコノヒーでまごう事なく紳士顔。レイだってチャーリー・ハナムと強面でも優しい瞳を持つ男。フレッチャーはヒュー・グラントでミッキーの奥さんはミシェル・ドッカリー。更に武闘派役としてコリン・ファレルまで・・・贅沢キャストな紳士物かと思いきや・・・
この整った集団がかなり下品・下劣に「ファック」を連発します。コリンに至っては登場最初のセリフが「お前ら猫のションベンみたいな口臭だ」という名言。シリアスシーンではありますが、出演者が揃って暴言を連発している姿を見ると「楽しんでそう」とすら思えます。ギャングの血生臭い世界をコミカルなセリフ回しで見事にコメディ化。とても好きです。
必ず最後に悪が勝つ
物語が作中に出て来る「脚本」で進むので、どこまでが真実かわかりません。そこを上手く利用したドンデンガエシがあり、さらに返しがあるという作り込みにのめり込みました。登場人物に正義はなく、全員が絡み合い陥れながら自己利益を追求していきます。そもそも正義がいないのだから、当然最後に勝つのは「悪」となります。
洒落てておバカと、ガイ・リッチーらしい作品。濃いキャスト達を融合させるのではなく、それぞれ目立たせて主張させていくという胸やけ注意な作品。1作で終わるのが勿体ないし、是非コリン主役のスピンオフを作って欲しい!何なら作中に出てきた「とある男とブタの映画」を全編公開でもいい・・・リッチー監督はこんな映画をドンドン排出して下さい。あと、こっそり「コードネームU.N.C.L.E」のポスター貼ってあるのはファンに嬉しい気配りですな。
⇑ こっちの”ヒュー・グラント”も好きです
コメント も、文句以外で・・・