ゾンビの心情を歌で表すのはGOOD
ゾンビの想いを人間は知らない
とある青年ゾンビ”俺はゾンビ。名前も覚えてないし、どうしてこの空港にいるのかもわからない、誰かにぶつかっても謝る事もない。親友とは会話のようなこともする。お腹が空いたなとかね。だから餌(人間)を探しに行くんだ。でも人間はすぐに頭を狙うから集団で向かう。しかし動きが遅いな・・・”
ゾンビを生み出す感染症が流行して8年、人間は大きな壁を作り身を護っています。ある日ジュリーは人類の為に壁を超えて、ゾンビの世界へ向かいます。廃墟になった病院で薬を探すジュリー達ですがゾンビに見つかります。そこで青年ゾンビはジュリーに一目ぼれしてしまうのでした。
青年ゾンビRの苦悩
後に”R”と名付けられる青年ゾンビには自我が残っており、自分の家も構えています。動きは遅いのですが、指先までしっかりコントロールできる、そんな人間率20%ぐらいの彼の楽しみはレコード鑑賞。80年代の曲をレトロなレコードプレーヤーを使って聴いています(登場17曲)。
人間の感情が残っているため、その時のRの心情に合った楽曲を選択します。上手に話せないRの思いを代弁する音楽、その使い方がGOOD。現状に憂いたり恋に悩んだりと、その姿は人間と何も変わらないモノでした。・・・と、考えて観てみるとRという存在は現代社会人の象徴に見えてきてしまった・・・
僕らは誰にも噛まれていない
何も考えずに生きていければ楽なのに、そんな風に考えて生気なく生きる日々。それじゃあ”ゾンビと変わらないよ”とRに言われている気がしました。青白く仄暗い世界で生きるRは、ジュリーを見た瞬間からカラフルな世界を期待し”鼓動”します。恋は活力!という言葉のままに、ゾンビらしからぬ光に手を伸ばす姿は見習いたい・・・
B級Zラブコメディと侮るなかれな本作。Rの葛藤は上手く生きられない人間の象徴で、ジュリーの悩みは世間体と常識に囚われた人間そのもの。何かを超えるためには何かを壊さないといけないのです。それは自身の思い込みであったり、今までの環境であったり。ゾンビに負けないよう、人間は生きなければならない!そんなメッセージが胸熱でした。
コメント も、文句以外で・・・