有名どころが揃っている作品
殺人と1通の手紙
1969年7月4日、バレーホで出会ったばかりの男女がドライブをしています。人気のない所に着き2人きりになったのですが、そこに一台の車が近づいてきます。一旦は遠ざかったと思うと、再び近寄り懐中電灯で2人を照らしながら降りてきました。警察官と思い「勘弁して下さいよ」と話しかけた途端銃撃されてしまいました。
それから4週間後サンフランシスコクロニクル新聞社に1通の手紙が届きます。そこには公表されていない殺人事件の詳細が書かれていました。そしてその上で「この暗号文を一面に載せろ。そして俺の正体を暴け。」と暗号が同封されています。全部で3つあり、それぞれ別の新聞社に送付したとの事。風刺漫画化ロバートが暗号を解きますがそこには名前がありません。それから後日”編集長殿 ゾディアックより”と書かれている手紙が送られてきました。
ギレンホークにダウニーJr、そしてラファロ
メインは風刺漫画家役のジェイク・ギレンホールになります。この方は”サイコパス職人”(”ナイトクローラー”のイメージが強いから)だと思っていたので、今回の役は意外でした。まあ異常者な役ではありましたが。そして協力捜査官役のマーク・ラファロは”はじまりのうた”で演じた落ちぶれた感漂う冴えないおじさんとしては最高な役者さん。
クロニクル新聞社のやり手職員役はロバート・ダウニー・Jr。”シャーロック・ホームズ”とか好きですが、どの役をやらせても泥臭い方です。2007年の映画になりますが、この3人が揃っているのは豪華絢爛(いぶし銀ばっかりですが)です。この”ゾディアック”という作品は、犯人を追及したこの3名の狂わされた運命を描いていました。
3者ともに翻弄されていく
”劇場型犯罪”として知られる有名な事件で、主人公ロバート・グレイスミスも実在の人物です。1986年に「Zodeac」を書き上げベストセラーになっていますが、その裏には本作映画にあったような様々な苦労がありました。しかしこの3者共に”自ら入り込んでしまった”という背景が強くあります。そこには何か追い込まれているような、まるで”自分がしなければならない”という強迫にも似た衝動がありました。異常犯罪者に強く関わった者の末路とは一体・・・
実際に起こった犯人と思しき者も亡くなってしまった未解決事件。当時を掘り下げながら事件を振り返った作品になります。犯人が近づいて来る気配を感じ、ドキドキのスリラーを味わいました。実際に”殺されるかも”と感じてしまうと臆病になったり、奇行したりしてしまいそうです。そんな状態を臨場感たっぷりに演出しており、”見えない犯人”の怖さを思い知らされます。この”劇場型犯罪”というのは事が大きくなる、犠牲者が多くなるといった点で本当におぞましい犯罪。願わくばこれから先フィクション世界だけの出来事になって欲しいものです。
⇑ 人間が怖い”スリラー”代表作
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