ちょっと・・・面白いですよコレ
英国の”ゾンビ事情”
18世紀の初め、貿易が盛んな英国には世界中の産物が集まっていました。しかし同時に”ゾンビの病原菌”も輸入してしまいます。噛まれる事で死んだ後に生き返り感染者となり、”人の脳を食べる”というおぞましい奇病で、既に何百万人もの犠牲者が出ています。貴族達はロンドンを離れ田舎へ移り、自身を守る為の”武術”を身につけていきます。
そんな世界でネザーフィールドに住むベネット家には5人の年頃の娘がいました。5人共が中国で修行経験があり、拳法と刃物の扱いはお手の物。そんなベネット家の隣に若くて裕福なチャールズ・ビングリーとその親友ダーシーが引っ越してきます。ビングリーは長女ジェインに一目ぼれし、ダーシーは次女エリザベスに惹かれます。しかしダーシーは気難しく素直になれません。そんなときパーティーでゾンビが出現し、ガーターベルトに仕込んだナイフでゾンビを倒す姿を見てダーシーはさらに惚れこんでしまうのでした。
意外と元作に忠実
元作”傲慢と偏見”と同じくベネット夫人は娘を裕福な家に嫁がせることしか頭にありません。父親は娘の味方で、隣に運命の異性が引っ越し、パーティーでエリザベスとダーシーが犬猿の仲に・・・と忠実再現している小説。こんな事を思いついたのはセス・グレアス=スミスで2009年に”傲慢と偏見とゾンビ”の小説を発表しています。
エリザベス役はリリー・ジェームズで2015年のディズニー実写”シンデレラ”役で2016年の”二つ星の料理人”ではシングルマザー、そして本作では貴族というより戦士な女性と幅広くこなせる女優です。今回のゾンビと戦う貴族の娘役は、可愛いながらも凛とした佇まいに高評価。アクションも◎ですが、ナイフ装着のガーターベルトの方につい目が行ってしまいます。
ふざけていないB級ゾンビ
ゾンビが出て来るシーン以外は至って真面目な”傲慢と偏見”。18世紀のドレスも綺麗で、戦闘服にも力が入っています。街並みも残念な程に美しく、題名はB級なのにしっかりと作り込まれていました。しかし一旦ゾンビがでると可愛い女性陣が、太もも露わにナイフでゾンビ無双をしていく爽快なB級映画に変わります。ギャップが凄い。
ゾンビならではのグロさは薄く、アクション重視なので家族でワイワイ観るのにお勧め。中世ヨーロッパの世界で日本刀をかつぎ拳法でなぎ倒し、元作の重めの恋愛設定も若干軽くなっているためゾンビ作としても、傲慢と偏見作としても入口にはよろしいかと。B級ですよ!と話しましたが、アクション映画として楽しめる映画でした。
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⇑ ミュージカルゾンビも良いB級
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