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カウンセリングを始めた男ユングは”だらしない男”だった?「危険なメソッド」

危険なメソッド ☆映画あらすじと感想
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3.6 素晴らしい女優ですよ・・・本当に・・・

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ユングとザビーナ

1904年チューリヒ精神病院の医師であるカール・グスタフ・ユング。彼は尊敬するフロイト提唱している”会話による治療法”を研究していました。そこに訪れた患者ザビーナ・シュピールラインは、対話が流暢で賢く教養も持ち合わせている女性でした。統合失調症という強い精神疾患をもちながらも、理性があり会話が成り立つ彼女はユングが求めていた理想の患者でした。

連想法によりザビーナの病気を探ってみると、幼い頃父親から受けた折檻の話が出てきました。この話をする際ザビーナは、過度のストレスによって顔をゆがめ手足を大きく動かしながら話を続けようとしています。この発作は屈辱に耐えようとする際に起こる現象と判断されます。この発作さえなければザビーナは優秀で、これを機にユングの助手となり才能を開花させていきます。しかし問題は彼女が若く美しく、そして賢明な女性であることでした。

キーラ・ナイトレイに賞賛を

僕自身の本業柄、高齢者の統合失調症と関わる機会があります。実際に重度の方の発作は左右のどちらかに顔も体も強く引っ張られるような動きと、両目がバラバラに瞬きするというのが目で確認できる症状です。ザビーナは幼少期から患っていたということで、恐らく最重度です。ではキーラの演技はどうだったのでしょう?

怖いぐらい顔が変わっています。そして手が背中を掻きたいかのようにカクカク動きます。まぶたが細かく痙攣し、興奮状態が増していく様子が伺え、本当に発作が起こっているようにしか見えません。このシーンばかりが頭に残り、本来のユング+ザビーナ+フロイトが現代精神病治療に残した物語が頭に入りません(大事な内容なのに)スターウォーズのアミダラ女王、プライドと偏見のエリザベスと比較しても今作のザビーナ役が大目立ちし、完全な一人勝ち作品でした。

ユング心理学は”カウンセリング”

1900年代当時の主流治療法は「精神病患者を管理する」という考え方でした。フロイトによって「精神病を治療し、自由を!」という対話による治療の流派が生まれました。さらにユングが治療の後も”話を聞く”という”カウンセリング”を行い、個人・個性の定着を図ります。これが現代治療の礎となり”本人の意思が尊重される治療法”として受け入れられています。

と、いう大きなテーマがある本作は僕好みな内容のはずでした。しかし内容的にはだらしないユングに対し、病気から立ち直り自立していくザビーナという明暗比較なストーリーになっていました。本作がユング本人の手記を元に作られた作品という事で、ユングのダメっぷりもリアル。作中で3名の写真も出てきますが、3者共によく似ていたのが印象的で”再現に力を入れた”ことが伺えます。しかし一番心に残るのは”キーラ・ナイトレイが大変なことになっている”シーンで、ファンじゃなくとも一度は閲覧しておくことをお勧めします。本当に凄いので。

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