ベルリンの壁に至る物語
ハンガリー民衆奮起
1956年の東ドイツで、進学校に通うテオとクルト。遊びたい盛りの彼らは西ベルリンの映画館でハンガリー民衆奮起のニュースを目にします。ソ連による軍事介入によって多くの犠牲者が出ていることを知った2人は心を痛めます。そして翌日、学校で友人達と共に事業中に2分間の黙祷を提案しました。
多数決の結果、クラスで黙祷を行ったテオ達。しかしソ連の影響下で社会主義体制の東ドイツでは反逆行為とみなされます。更に国民教育省大臣が訪れ「1週間以内に提案した首謀者を明かしなさい。従わないモノは退学処分だ。」と追い詰めます。学生達は友情・立場・真実の狭間で悩み苦しむのでした。
ベルリンの壁ができる5年前
1956年10月よりハンガリーで起きた民衆奮起(ハンガリー動乱)。ソ連の支配に反対する学生達のデモが労働者を加え大きな行進となります。そして国会前広場・コルビン劇場等で民衆とソ連軍が激突。多くの死傷者が出てしまいました。テオとクルトはこの騒動を知り小さな良心と自己満足として黙祷を捧げます。
当時の東ドイツは経済悪化まっしぐらでソ連の社会主義の影響下。自由とはかけ離れており、この黙祷すら”反逆に値する行為”と見なされます。この窮屈な世界は若者達にとっては地獄。そしてこの地獄を創ったのは今まで生きてきた人達なのです・・・
これは当時を振り返った自叙伝
沈黙する教室 1956年東ドイツ—自由のために国境を越えた高校生たちの真実の物語というノンフィクション小説が原本。当事者であるディートリッヒ・ガルスカの体験を描いた青春ドラマです。若者達の自由と葛藤、そして解放というテーマですが、その背景にあるのは”戦争”でした。争いが生んだ”分断”はこの物語後、更に悲痛なモノになるのです・・・
小さな行動のつもりが取り替えしのつかないことに・・・という話ですが、これぞ権力者の思うがままの世界でした。しかしこれは実話であり、世界中で行われた、もしくは行われている現実です。戦後直後は世界が平和を望みました。しかし2024年の現代ではどうでしょうか。僕達はこの過去から何を学んできたのか。それは”これからの行動と決断”で証明するしかありません。1956年の彼らと同じように。
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