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家に小路に石壁に”さよなら”「ヒトラーに盗られたうさぎ」

ヒトラーに盗られたうさぎ ☆映画あらすじと感想
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4.0 絵本作家の実話

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ドイツの運命を握る選挙

ドイツで演劇評論家をしているアルトゥアは、妻ドロテア息子マックス娘アンナと裕福な生活を送っていました。政治家ヒトラーを酷評し反対していアルトゥアですが、今回の選挙でヒトラーの勝利が有望視され始めた為、家族でスイスに亡命する事になります。そして一つだけ何か持って行っていいと言われ、アンナは大好きなうさぎのぬいぐみを置いて新しい犬のぬいぐるみを持っていく事にします。

スイスに入国した後もドイツではナチスが優勢。一家は帰れる見込みがありませんでした。更にスイスは中立国ということもあり、アルトゥアの批判的な執筆作品は出版できません。そしてアンナが10歳を迎えた頃、一家の財産が底を尽きます。家に残した家財一切ナチスに盗られ、ほぼ一文無しとなったため出版が出来る国フランスへ移ります。そしてアンナは友達と家と小路と石壁に”さよなら”を告げるのでした。

絵本作家ジュディス・カーの自伝的小説が元

ドイツのベルリンで産まれ、1933年のナチス政権が出来上がる前に亡命。パリを経由しイギリスに移住しました。そして絵本作家となり「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」など35冊を刊行し、世界でミリオンセラーとなっています。イギリスではロングセラー絵本作家として有名なカー絵本の魅力とは。

シンプルな絵柄とストーリーが子供を魅了しました。「わすれんぼうのねこ モグ」シリーズでは、おばかで可愛いモグなんだかんだと活躍したり、家族に迷惑かけたりと、ほんわかストーリーにちょっとしたドキドキ感を出しています。子供にあげたくなる絵本と言われるのも頷けます。そんな作品を創り出す彼女が、唯一”戦争絡み”で書いたのが「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」、つまり今回紹介映画の元となった絵本でした。

大切な物が全て奪われた

アンナはヒトラーの台頭によって、場所も人も奪われました。家族をも失うかもしれない状況に怯え、そして耐えながら成長していきます。それでも9歳の女の子家財が没収されたと聞いた時、アンナのよぎったのは昔から傍にいた”うさぎのぬいぐるみ”のことでした。

当時のユダヤ人情勢が垣間見える本作。裕福だった生活が一転して一文無しになり、住む建物がドンドン悪くなるのがリアルでした。どうしても重苦しくなるナチス題材ですが、本作はそんな中でも逞しく生きた人たちのドラマ。特に子供にとってはスイスにフランス、そしてイギリスへと移る生活は冒険です。仄暗い時代を背景に、最後まで明るく楽しく魅せる作品にこだわった本作は後世にも残したい物語でした。

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