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目でそして手で聞くメッセージ「コーダ あいのうた」

コーダ ☆映画あらすじと感想
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4.5 伝える言葉がある、そんな映画でした

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\サブスク引き籠り応援団です/

漁船で働く歌好きな少女

海の上からどこまでも響いていきそうな透き通った歌声が聞こえてきます。それはロッシ一家の漁船で働くルビーの歌声でした。この漁船は家族経営で父フランク、母ジャッキー、兄レオの3人は生まれつき耳が聞こえません。娘ルビーは家族で唯一の健聴者としていつも家族の耳となり、通訳として生活全般のサポートをします。そんなルビーは17歳のお年頃。音楽が大好きで漁の仕事中でも歌をうたっています。

新学期に入り密かに思いを寄せるマイルズに近づくためルビーはコーラス部に入ります。顧問のベルナルドは少しおかしな先生。初日の部活で「嫌なことがあったんだ。だから機嫌が悪い。今日は皆に私の誕生日の歌を歌ってもらう」という変な課題。学生は順番に「Happy birtyday to you」を歌います。ルビーの順番がきますが、周囲の歌を聞くうちに不安になり逃げ出してしまいます。そんなルビーに先生がかけた「上手い下手は関係ない。歌で伝えたいことがあるのかが大事だ」の一言でルビーの声が広がり始めました。

家族だからこそ伝えたい、知りたい(一部ネタばれあり)

聴覚障害の家族を持つルビーを中心にした作品で、ルビーが伝えたい相手が「家族」です。しかし彼女の好きな「歌」を家族が理解することはかなり困難な話です。そのため自分のしたいことよりも、家族の仕事や生活のサポートを優先しろ、という母親の意見は理解できます。しかしルビーには歌が好き!と伝える必要があり、そして家族も知る必要がありました。

※以下ネタばれあるので飛ばしてOK

ルビーは歌う姿を見せることで家族に「歌をもっと知りたい、歌わせてほしい」と伝えます。これはルビーの歌声に感銘を受けたベルナルド先生の進めで「音楽学校へ進学」したいからです。最初に兄が気づきます。「家族の犠牲になるな」とルビーに言い放ちます。これって本当に兄らしいぶっきらぼうな応援で、特に長子ならば下の子に「がんばれ」は恥ずかしいです。ここで1回目泣きだしそうでした(きっとまだ泣いてない)。

次に理解を示してきたのは父親。ルビーのコンサートの後、「ここで見える星は船の上で見る星より暗いな」と何かを感じたような話をします。そして歌声を聞くことが出来ない父が「俺のために歌ってくれないか」と頼みます。ルビーが歌い始めると、父親を表情を口を見つめ、そして両手をルビーの喉・首にあてて手で音を感じます。そして抱きしめます。「わかりたい・知りたい」が伝わりすぎて2回目泣き(認めます、なきました)ました。

最後は母親ですが、父親が説得したのかすんなり応援し始めました。ずっと「家族のため、あなたしか耳が聞こえない、自分の知らない世界に娘が行くのは怖い」と反対をしていましたが、きっと誰よりも最初に応援してあげたかったんです。自分の不安を誰かに吹き飛ばしてほしかったのです。ほら、父も兄もルビーを応援すると決めた瞬間から母親は思いっきりルビーを応援しだしましたから。あ、ここは終盤なのですでにタオルもって泣いてるので気にしないで・・・

「音」を大事にしている作品

歌や曲だけでなく「音」全体を大事に扱っている作品でした。自然の静寂をバックにした手話は臨場感があり、川へ飛び込むだけの音すら静から動へのアクセントになっています。そして手話が激しく(興奮して会話する)なる場面ではBGMがフェードアウトしていきます。登場人物の中で唯一ルビーだけが両者の音世界を知っており、その両側の世界で感じる景色の違いを僕たち観客にも見せようとしてくれた作品でした。

「家族愛」「恋愛」「成長」どの視点から楽しめる作品です。ルビーの強い歌声でミュージカル物としても文句なしです。手話はとても早くもちろん理解はできませんでしたが、それでもわかりやすい・身近にするための工夫がされており、「クスッ」とした笑いがところどころに配置されています。本職介護の僕は実際に手話をかじったことがありますが、そこで聴覚障害者の方から教えられた(手話だったので理解するのにノートが必要でしたが)のは「表情も相手に伝えるための一つ」です。そんなところもリアルに表現されている作品でした。ちなみに印象に残った好きな台詞は序盤のベルナルド先生の挨拶「ベェェェェルルルルルルルナルド先生、巻き舌苦手ならV先生と呼びなさい」でした・・・

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