メッセージは伝わってくる作品・・・
バズりたい！が狂わせる！
SNSのスターを夢見る青年カート・カンクル。現実は厳しくフォロワー数は1桁を維持。自信も薄らぎ悩んでいたカートですが、突然ひらめき相乗りアプリ”スプリー”を使い、ドライバーとして働く様子を投稿し始めます。本格的に行うため、車内どの角度からでも視聴ができるようカメラを複数設置。そして動画”レッスン”としてライブストリーミングを開始します。
「有名になるし、その方法も教えるよ」とテンションの高いカートは、初乗客となるフレデリックを迎えに行きます。他愛のない会話が流れている、とてもつまらない動画です。しかしフレデリックが車内に置いてある”無料の水”を口にした途端変化が。カートは水に毒をいれており、”殺人ライブストリーミング”を行っているのです。突如咳き込み倒れたフレデリックを処理したカートは次の乗客の元へと出発するのでした。
コメディ感強めの陰鬱作品
”レッスン”のため必死で視聴者に話しかけているカートですが、会話は下手で独りよがりで緊張感がありません。「ライドシェア殺人の最高記録」と名言が飛び出しますが、ドン引き。登場人物が”おバカ設定”だらけなのでシリアスな場面も気が抜けます。良く言うと”最後まで観やすい”作りでした。
”バズりたい”という思いだけのカートですが、サイコパスなお人柄。そこらへんにいる普通の若者でSNSで有名に、という夢も現代的。退屈な動画もそこらへんにありそうな物。冒頭から狂っている人物ですが、殺人を繰り返すうちにエキサイトしていく様子が不気味ながらも妙にリアルでした。
本当の怖いのはカートではない・・・？
配信者カートは勿論イカレています。しかし問題は視聴者のイカレ具合。”フェイクじゃない、現実に起こっている”と認識してからは投げ銭リプライを使って過激になっていきます。カートは思考停止状態となり、フォロワー欲しさに異常な要望に応えていきます。本当に恐ろしいのはインフルエンサーではないのかも・・・？
SNS傾倒への警鐘作品。観ている最中でも”実話ベース？”と思ってしまう程リアル。”何だこれ”と”怖いなこれ”が両立する作りで、投稿する側の承認欲求と視聴する側の好奇心が映し出されていました。SNSで有名にという夢はよいのですが、それだけに全てを費やしてはいけませんね。身近に感じる作品で、改めて”自制って大事”だと思い知らされました。
⇑ スマホが原因で大騒動
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